Tweet
出版科学研究所から2017年上半期 紙と電子の販売額が発表された。紹介したい。
1月~6月 |
紙の販売額 |
電子コミック |
電子書籍 |
電子雑誌 |
電子合計 |
(億円) |
7,281 |
777 |
140 |
112 |
1,012 |
前年同期比 |
▲5.5 |
22.7 |
14.8 |
21.7 |
21.5 |
占有率 |
87.6 |
9.4 |
1.7 |
1.3 |
12.4 |
※出版科学研究所
紙の出版物の推定販売金額は7281億円 前年比マイナス5.5% 前年は7700億円だった。前年はマイナス2.2%。マイナス幅が加速した。返品率は書籍34.2%雑誌44.0% 内訳月刊誌45%週刊誌は39.1%で高止まり、雑誌の返品率が低下する気配はない。物流のコストだけ掛かり生産性がほとんどない。
このまま行くと2017年の販売推定金額は1兆4000億円を割り込み1兆3000億に突入すると思われる。1996年販売額のピーク2兆6000億円の半分になる。
その理由は団塊の世代の退職と後期高齢者人口の増加。生産年齢人口の大幅な減少と少子化で人手不足が深刻化している。さらに追い打ちをかけるように読書時間をアイフオーンに奪われ、電子書籍の伸びも期待ほど伸びてはいない。通期で2000億円を突破すると書店の売上・取次の売上に影響も出てくる。
日経MJの発表によると日本全国上位大手23書店の内、前年比マイナスの書店が16書店もある。全国の書店数も2017年5月アルメディアの調べによると実際に店舗を有する書店数は10,202店舗しかない。今年中に10,000店舗を割るのは間違いない。
取次も書店も出版物以外の新たな商材を見つけてはいる。しかし、今までの商慣習から買切り商品には口で言うほど手は出ていないのが現状。なにかのキッカケで時限再販が拡大するのを望みたい。
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
Copyright (C) 2003-2024 eパートナー All rights reserved.