このウェブサイトにおけるページは、書籍『口紅は男に売り込め!』(高倉 豊 著、ダイヤモンド社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・できない理由を探すのではない。実行不可能な理想論を掲げるのでもない。今与えられている条件の中で、解決策を見つけることが必要なんだ!
・業績を立て直す方法(中略)そのための3つの思考法(中略)
①ライバルは見ない
②現場は見ない
③ロジカルに考えない
・斬新な企画は、他社研究をしても生まれない
・過去の実績は弊害になる
・私は商品の発売や販売促進案を考える時、どんなに素晴らしい品質であっても「こんな商品は売れない」という前提で案を考え始めるようにしています。これには理由が2つあります。1つめは、「商品が魅力的でさえあれば、無条件に売れる」という安易な考えを戒めるため。2つめは、この商品は売れるという先入観でプランを立てると、詰めが甘くなるのを防ぐためです。
・POS(販売時点情報管理)システム(中略)ジョイフル本田では、このシステムを採用していません。なぜなら、「POSを導入すると、現場の目が売れ筋商品に向いてしまう。売れ筋ばかりが並ぶ売り場には夢はない」というのは、本田会長の持論(中略)
事実、商品を売れ筋に絞っていないため、1年に1回しか売れないものもあるそうです。それが逆に、ここに来れば欲しいものが必ず見つかるという来店客の信頼と安心感にもつながり、他のホームセンターと比べても、極めて高い経常利益を誇っています。一見、非効率に見えることが、高収益を呼びこんでいるのです。
・有限の材料の中で可能な戦術を立てることこそ、現在求められている問題解決法ではないか。
・手持ちの材料で何かをつくる。この考え方を「ブリコラージュ」と言います。(中略)1960年代にフランスの人類学者、クロード・レヴィ=ストロ-スが唱えたものです。
・売れているように見せる
時計ブランド「ウブロ」との出会い(中略)
まずは、販売店まわりから始めてみよう。当時、ウブロを扱っている小売店は、全国に約50店舗ありました。(中略)どの店でもほとんど売れておらず、ショーケースには古いモデルが埃をかぶったまま並んでいました。(中略)
やる気が感じられなかったショップとは、思い切って取引を中止し、販売店舗数を半分近くに縮小したんです。(中略)
ハングリーな姿勢や熱意を見せてくれたところを、東京、大阪、福岡から1店舗ずつ選びました。そして、その3店舗に優先的に商品を供給し、限られた販促費をすべて投入したのです。
・仮に100個の商品を売るとしたら、100店舗で1個ずつ売っても、1店舗で100個売っても、全部で100個売れることに変わりはありません。ですが、1店舗で100個売るほうが、インパクトの大きさがケタ違い。
・売れているように見せる。そのために私がとった策は、販売店舗を絞ってそこに集中することでした。
・媒体は広げず、1誌に集中(中略)
「ビックバンが売れたら広告をたくさん出稿しますから、1年間、毎号ウブロを取り上げてくれませんか」
恥を忍んで、出世払いのお願いです。(中略)「面白い。お手伝いしましょう」といってくれた雑誌の1つがUOMOでした。
・「金持ちの遊び人」の時計から「ビジネスマンや地方の経営者」にマーケットを広げていったからこそ、不況下でも売上が落ちることがなかったのだと思います。
・ある時サンローランで、「ルージュピュール」というプレミアムラインの新しい口紅が発売されることになりました。事前販促のために、本社から届いた豪華なミニチュアサイズのサンプルは3000本。(中略)
ブレストを繰り返す中で私が思いついたのは、東京の西武渋谷店だけのプロモーションに絞るという作戦。3日間のプロモーション期間中、先着3000名に無料で差し上げることにしたのです。しかも、普通にあげるのではつまらないので、「男性限定」としました。つまり、サンプルが欲しい方は彼氏やご主人にたのんでください、ということです。(中略)
プロモーションの告知は、東京版の「朝日新聞」に2段組みの広告を出したのみ。
「週末キスをご予定の彼氏は、渋谷西武まで急いで!」
・マーケティングの女性スタッフに指示して、「大手百貨店の限定キットを、各店ごとに変えてつくって欲しい」と言いました。(中略)人は特別なお得キットに弱いものです。新規のお客様を惹きつける強力な新商品がない場合には、こうしたプロモーションがもっとも確実で手っ取り早い売上アップの方法だったのです。
・「化粧品を売るにはどうしたらよいか」という発想ではなく、「セルフの売り場で商品が売れるにはどうしたらよいか」という、より本質的な課題に立ち戻ることにしたのです。その結果、「思わず買ってしまう手軽なギフト」として売り出していくやり方に行きつきました。
・フランスでは、ヴィトンのバッグは、50代くらいになって暮らしにゆとりが出てきたマダムが「一生に一度くらい買ってみようか」と購入するような高級品。ところが日本では、お給料も多いとは言えない20代の女性が、節約してでもお金を貯めて買うという、世界でも特殊な現象が起きていました。
・「過去の成功例に溺れることなく、常に次の手を準備する」好調を維持するためには、忘れてはならないことです。
・現場に答えはない・・・・・・俯瞰して本質から考えたほうが、大胆かつポジティブな意見が出てくる
・初速で話題をつくる・・・・・・ブランド再生で大事なのは、最初の勢い
・[高倉流:問題解決法]
①目標設定
問題を解決したいという強い気持ちが原点
↓
②材料出し
先入観に囚われず、手持ちの材料をランダムに並べ俯瞰して眺める
↓
③ひらめき
ある事実に遭遇した時、材料のどれかが目標達成と直観力につながる瞬間が訪れる
↓
④仮説
ひらめきをもとに、問題解決につながる仮説を立ててみる
↓
⑤検証
仮説が正しいか、うまくいくかどうかを、なるべく具体的に戦術も含めて検証し、納得できれば実行に移す
・「化粧品をギフトにしたブランドは今までにない」
「3500円の口紅は手軽で買いやすい」
「口紅に名前を彫れば、世界で1つの口紅なる」
・偶然を必然に変える
・人は思い込みが激しく、一度自分が気に入った案は、なんとかして通そうとするものです。だからこそ、他の人の意見を聞くことによって、思い込みの目を覚ましてもらうことが大事だと思っています。言い換えれば、自分の思考の限界を早く知ったほうがいい。
・反復練習ほど大切ものはありません。
・「ビジネスでは、とにかく勝ち続けることが大事だ」と、事あるごとに言い続けてきました。そのためには、「負けそうなこと、つまりできないことは、最初からしない」ということが重要になります。
・「できそうにないことはしない」というのは、楽ばかりして、嫌なことから逃げるという意味ではありません。(中略)人間は弱い生き物ですから、負けグセがつくと、どんどん自信を失ってしまいます。そうすると、本来その人が持っていた能力や長所までがダメになってしまう。(中略)
「勝ちグセをつける」ということは、「小さな成功体験」つまり、「プチサクセスを積み重ねていく」ということです。
・ビジネスにおいては、あらかじめ答えがあるのではなく、ひとりひとりが自分の答えを考えて見出していくべきものだと思っています。時代も、会社も、商品も、それぞれ違うのですから。
・高倉 豊
前ウブロ・ジャパン代表取締役(中略)以降、イヴ・サンローラン、パルファンやシスレーの日本法人、外資系高級時計メーカー、タグホイヤーやウブロの日本法人、計5社の外資トップを20年間務める。(中略)ブランド再生人
●書籍『口紅は男に売り込め!』より
高倉 豊 著
ダイヤモンド社 (2012年6月初版)
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