このウェブサイトにおけるページは、電子書籍『この子を残して Kindle版』(永井 隆 著、販売: Amazon Services International, Inc.)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・ガラスは放射線を長く受けると色が変わるものである。私は牛乳びんがうす紫色に変わっているのをいくつか見つけた。それは爆心地に近いほどいちじるしかった。
・みみず・あり等の土の中に住む小動物に気をつけた。土に大量の放射能があれば、こんな小動物は死滅してあらわれないはずである。しかるに、爆心地で七週間後にたくさんのありの列が見つかった。三か月後には、みみずもたくさん見つかった。こんな小動物が生きているのだから、大きな人間の生命をおびやかすほどの放射能はまずあるまい、と推論
・孤児は大っぴらに泣かぬ。孤児は泣かない。めったに泣かない。泣くときは物かげで、めそめそと泣く。しおしおと泣く。声を殺して、しゃくり泣く。せつなげに、くるしげに、くやしげに、胸をしぼるがごとく、あたりに気がねしいしい、遠く届かぬ人に訴えて泣く。
・苦しみを体験したことのない人は無邪気である。辛い目に 会うたことのない人は無遠慮である。心に傷のない人は鈍感である。
・子供が天真らんまんであるのは、たびたび泣いて胸の中の掃除をするからである。
・旅に出たら一流旅館に泊まれ! その町のいちばんいい点がわかる。木賃宿に泊まるのもよい。その町のいちばん悪いところが知れる。
●電子書籍『この子を残して Kindle版』より
永井 隆 (著
販売: Amazon Services International, Inc.
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