このウェブサイトにおけるページは、電子書籍『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか Kindle版』(上阪 徹 著、出版社: あさ出版)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・どうして成城石井がこれほど支持を集めているのか。まず、何よりも大きな特徴は、その品揃えの独特さにある。輸入商材、隠れた名品、地方の名産品をはじめ、独自商材が極めて多いのだ。
・成城石井で総菜コーナー(中略)売っているものがまるで違うのだ。例えば、揚げ物がほとんどない。
・総菜を作る食品工場「セントラルキッチン」を自社で立ち上げたという。
・総菜開発の中心を担うのは、元有名ホテルや有名レストランのプロフェッショナルたち。
・成城石井のルーツは、一九二七年二月に誕生した果物、缶詰、菓子を扱う食品店。創業者の石井隆吉氏が、東京都世田谷区成城の地に店を構えたことに始まる。
・成城石井では、ワインは『Reefer(リーファー)』コンテナと呼ばれる定温輸送で直輸入
・儲けよう、という発想ではなかったことだ。本当においしいもの、こだわったものをとことん突き詰めよう、というところから、成城石井は品揃えを考える
・社長の原氏が強調していたことだ。それは「基本の四つ」の徹底だったのだ。挨拶、クリンリネス、欠品防止、鮮度管理である。
・他のスーパーにはない特徴がある。店内のどこに何が置かれているのか、カテゴリーを示す看板が天井からぶら下がっていないのだ。これには理由があるという。 「わからないことがあれば、気軽にお声がけください、ということなんです。それが、成城石井のスタイルなんですね。コミュニケーションをし、お客様と少しでも近づきたいスーパーなんです」
・レジのスピードアップを図るため、レジ担当の技能アップを目指すチェッカー(レジ係)技能検定の受験にも力を入れているのが成城石井
・混雑時には、ひとつのレジに最大三人のレジ担当がつくという。
・袋詰めにも、いろんな技術があるんです。例えば、卵は割れやすいので多くの人が上のほうに入れようとしますが、卵は下に入れるのが正解なんです」 卵は横の力には弱いが、縦の力にはかなりの強度を発揮するという。むしろ卵を上のほうに置き、袋が横に倒れてしまったりしたときのほうが、割れる可能性は高いという。だから、一番下に入れるのだ。
・接客サービスを重視している成城石井だが、サービスマニュアルはない。役割ごと、お店ごとに、求められるものがまったく違うからだという。五十嵐氏はいう。
・あの店にはいつも買っている牛乳があるよね、と思っていただけることが大事なんです。(中略)こういうところからしか、信頼関係は生まれないと思っているんです
・成城石井の本社にいるバイヤーは約二〇人。カテゴリーごとに担当を持ち、毎月誰かが世界を回っている状態にあるという。
・バイヤーは一度の海外出張で、一人が二、三社は新規開拓してくるという。年間で二〇から三〇にもなるそう
・日本酒の売り場は、冷蔵庫の上の蛍光灯がしっかり消されていたりする。蛍光灯の紫外線が酒の品質を落とすから
・オリジナル商品は、直輸入品、自家製を含めて、すでに二三〇〇点から二五〇〇点にも及ぶ。味噌、ポン酢、牛乳、キムチ、ジャム……。
・オリジナル商品の中で、ぜひ紹介しておきたいのが、ジャムだ。(中略)〝砂糖不使用〟。だが、糖度は四五度もあるジャムだ。
・成城石井の自社工場「セントラルキッチン」は東京都町田市にあり、総菜とハム、ソーセージ、パン、デザートを製造し、総勢で四〇〇人ほどが働いている。 作られている総菜や加工食品は、二〇〇種類以上にものぼる。
・人気のココナッツミルクと有頭海老のレッドカレーは、一日一七〇〇個出ます。本物の羊の腸を使ったポークウインナーは一日四〇〇〇袋。レーズン入りのプレミアムチーズケーキも一日四〇〇〇本売れる」
・「ジャガイモは、皮の真下が一番おいしいんですよ。機械を使うと、そこまで削ってしまうことになります。これでは、味がまるで変わります」
・ポテトサラダは人気の定番商品。なんと一日五〇〇から六〇〇キロ、二五〇〇個ほどのジャガイモが手むきされているという。
・ココナッツミルクと有頭海老のレッドカレー」は、一般社団法人新日本スーパーマーケット協会主催の「スーパーマーケットお弁当・お総菜大賞二〇一四」で、見事、丼部門の大賞に選ばれている。 この賞ではもうひとつ、デザート部門で「北海道えびかぼちゃの濃厚パンプキンプリン」も大賞を受賞。
・エキナカはまったく初めて。(中略)「アイスクリームのショーケース以外にも、たくさん失敗はありました。米や醤油はまったく売れませんでした
・わざわざ駅のスーパーで醤油や米は買わない。それは、自宅近くの最寄りのスーパーでいいわけです。
・わかったのは、周辺で働いている食への感度の高いお客様が、仕事帰りに買ってくださっていたことです。コーヒー、紅茶、ワイン、チーズ、総菜は大変な売れ行きでした。自宅最寄りのスーパーには売っていないものを買っていかれたんですね」
・現在、従業員が必ず身につけているハンドブック「成城石井BASIC」である。経営理念と信条、基本目標、基本方針、行動基準、ホスピタリティ、身だしなみ、接客七大用語、沿革が記された二四ページの小冊子だ。
・いいものを置くだけでは、単なる自己満足。だが、商品へのこだわりが強くなればなるほど、その危険性も大きくなる。
・業績が急降下した成城石井に、新しい風を吹き込む改革を担った大久保氏。その右腕として、執行役員営業本部長として一緒に改革に取り組んだのが、原氏だった。
・研修のカリキュラムは大きく五つのテーマで構成されていた。成城石井の沿革と経営理念。ホスピタリティとコミュニケーション。社内基本ルール(身だしなみ、挨拶、売り場での行動)。こんなときどうするか(お客様の声)。まとめ(自分自身の目標)。
・成城石井では、店頭でワインについて質問すると、待ってましたとばかりに答えてくれるスタッフが大勢いる。
・例えば新店を出すときにも、成城石井は本格的なリサーチをまったく行わない。周辺住民からアンケートを取ったり、グループインタビューをすることもない。それは、顧客のほんの一断面でしかないことを知っているからだ。
●電子書籍『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか Kindle版』より
上阪 徹 (著
出版社: あさ出版 (2016/8/2)
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