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鈴木 秀生 氏 電子書籍『日の丸電子書籍はなぜ敗れたか~21st century eBook Story- 電子書籍の世紀 Kindle版』(出版社: hidebook)より

このウェブサイトにおけるページは、電子書籍『日の丸電子書籍はなぜ敗れたか~21st century eBook Story- 電子書籍の世紀 Kindle版』(鈴木 秀生 著、出版社: hidebook)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・無料キャンペーンは、読者、出版社、マンガ家、電子書店いずれにもメリットがある施策です。 読者はコミックの1巻を無料で読むことができる。 出版社とマンガ家は1巻目が有料で売れようが売れまいが、ダウンロード冊数分のロイヤリティを受け取れる。電子書店は無料キャンペーンで、新規会員を獲得できる。


・広告に頼らず、サービスを愛用してくれている読者といっしょに、便利な電子書籍を広めるために何かできないか? そんなことを考えて企画し、2007年11月3日の「漫画の日」にリリースしたのが、「漫画検定」でした。


・他社とのシェア獲得競争に勝つことが重要なのではなく、読者に支持されるサービスなのかどうか。読者が満足できる品揃えを提案できる書店なのかどうか。


・「著作隣接権」と呼ばれている権利です。簡単に言うと、「著作者の周辺で、作品作りに貢献した人達に認められる権利」です。(中略)


音楽や映像制作の世界ではふつうに認められている権利です。音楽で言うと、楽曲を作った作詞者や作曲家が「著作権」者で、その隣で作品作りに貢献したレコード会社やアーティストなどに「著作隣接権」が認められています。


・『電子出版クロニクル』が挙げられます。 電子出版クロニクル 著者:日本電子出版協会(Japan Electronic Publishing Association) 販売元:日本電子出版協会(Japan Electronic Publishing Association) (2009-01-25) 販売元:Amazon.co.jp


・ボイジャー・ジャパンの歴史をたどると、電子書籍の歴史が見えてきます。

電子書籍フォーマット「.book(ドットブック)」リリース
電子書籍専用ビューワー「T-Time」リリース
季刊「本とコンピュータ」創刊
無料で読める電子書籍文庫「青空文庫」スタート
電子書籍専門書店「理想書店」リリース
携帯電話向け電子書籍ビューワ「BookSurfing」リリース
本と出版の未来のWEBマガジン「マガジン航」創刊
●電子出版=本と映画の融合


・電子出版とは「小さなもののためのメディア」だから。


・Bookserverプロジェクトとは、映像、音楽、本、Webページなど全てのデジタル情報をアーカイブするサンフランシスコのNPO団体「インターネット・アーカイブ」を設立したアメリカの天才的技術者ブルースター・ケール氏が構想した、世界中の書物と読者をつなぐワールドワイドな電子図書館ネットワークのことです。 簡単にいうと、本や図書館に関わる世界中の有志で共同運営するネット上の電子図書館のようなもの。


・紙の出版流通においても、私が20代を過ごしたトーハンという、出版流通を寡占している取次会社の前身は、戦前の日本が国民の言論統制を徹底するための国策会社、日配でした。


・佐々木さんは、メルマガ連載で繰り返していた主張を本書によって自ら実証しました。この作品が実証したものは下記3点だと思います。 電子版を紙版価格より廉価で先行配信すると、事前プロモーション効果で紙版も売れる 紙と電子は読者を食い合うものではなく相乗効果をもたらせる Web連載⇒電子書籍配信⇒書籍販売という新たな出版モデル


・日垣さんは、この時の電子書籍配信経緯について書いた『 電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』という本を出版。


・製本も印刷もいらない電子書籍ならすぐ作れるだろう、という編集サイドと、職人芸に近い手作業で電子書籍を作る制作サイドとのギャップは、現在もなお深いのです。


・私の感覚値では、書籍の実売部数の5%前後が電子書籍のダウンロード数見込みになります。電子書籍を5万部売ることは、書籍を100万部売る難しさに匹敵します。


・現在のデジタルコミック誌のビジネスモデルは、実質1人か2人ぐらいの編集人件費を、長期間かけて単行本(電子書籍+紙書籍)実売収益でペイしていくモデルが大半です。


・ダイレクト文藝マガジン 009号「娘たちに語り継ぐ、新しい本の物語」 [Kindle版]


・『ダイレクト文藝』は、佐々木さん曰く 日本で一番KDP(Kindleダイレクトパブリッシング)に詳しい 忌川タツヤさんが編集長を務める文芸誌。


・cakesが異彩を放っている理由として以下の要素が挙げられます。

【出版メディアとしての新しさ】

著者陣の書き下ろし記事に加え雑誌記事も有料配信 読者のクリック数に応じて著者に利益を分担する仕組み 複数人が記事制作に関わる場合、利益分配率を登録できる仕組み 広告収入ではなく、コンテンツ実売収益を得られる書店モデルを採用


【書店メディアとしての新しさ】

「週150円定額課金型」コンテンツ配信プラットフォームという仕組み リスティング広告ではなく、記事執筆陣のプロモーションで集客 読者個人にパーソナライズされた記事を表示し、購入に誘う仕組み どんな端末からでも最適に閲覧できるHTMLフォーマットを採用


cakesは、 出版メディアと書店メディア双方の利点と新機能を組み合わせて、短期間のうちに独自のメディアブランド を築きあげました。


・昨年、興行収入58億円の大ヒット映画『テルマエ・ロマエ』の原作使用料がわずか100万円であることをマンガ家のヤマザキマリさんが明かしたことが、「安すぎる」として大きな話題を呼びました。

金額を出版社から一方的に告げられたヤマザキさん本人が知らないうちに決まっていたらしく、代理人のコメントによれば、ヤマザキさん自身は金額に不満を抱いているのではなく、100万円の理由について十分な説明を受けていないことに疑問を抱いたそうです。


・他人の作品は読みたいとは思わないが、自分の作品は読んでもらいたくて仕方がないんだよ


・85円で売ってコストを回収できるのか?と疑問も感じましたが、書籍1冊を85円で売る発想ではなく、雑誌のテーマ特集記事を85円で売ると考えてみれば腑に落ちます。


・ガジェット好きユーザーは、本をよく読み議論好きな電子書籍サービス評論家の側面があり、中には自分で書いたテクノロジー系の電子書籍を売っている作家もいます。敵に回すととても手ごわい存在です。


・少なくとも私自身は「電子書籍」を何千冊を持ち歩きたいと思ったことはありません。 軽さを競う意味もよくわかりません。 面白い本であれば軽くなくても読みます。 ただ、面白い本、役立つ本、泣ける本を手頃な価格ですぐに読みたい。 多くの読者にとって、何千冊入るとかわずかばかりの軽さより、どんな本が読めるのかが重要でしょう。 面白い本、役に立つ本にお金は払うけど、端末には1万円以上払えない。


・2002年、日本で初めて、図書館内に電子書籍書籍が読めるパソコンを設置する実証実験を行ったのは、北海道の岩見沢市立図書館でした。


・本が売れないのを食い止めるのが先か。 本が読まれなくなるのを食い止めるのが先か。

2013年現在で、全国で3,210館ある公共図書館のなかで、 電子書籍を貸し出しているのはわずか12館 ほど。実際、どれほど利用されているかは疑問です。

本とは、ただ読んで終わりではありません。 本を読んだ個人が、厳しい時代をサバイバルしていける元気や希望の源にもなるもの。


・Lideoは、FacebookやTwitterはおろかインターネット自体、そんなに使わない50代以上のユーザーがターゲット。本はネットではなくリアル書店で買う人です。すなわちamazonで本を買ったことがない中高年層。


・Lideoのどこにチャンスを見出してプロジェクトに参加したかというと、(中略)国内最大級の9万5千冊。とりわけ、書籍の取扱い点数は一番充実しているといっていい。他の電子書店はもちろん、amazonをも凌駕しています。


・Lideoの使命は、Kindleと対決することなどではなく、電子書籍を読んだことのないごくふつうの中高年読者にデジタル読書体験を提供すること。そして、 いつでもどこでも本が買える書店空間を楽しんでもらうこと。


・本を届けるための会社だった取次は、本の銀行と化し(中略)出版社と書店が、取次に銀行としての役割を望んだのだ。


・電子出版とはそもそも小さなもの、すなわち個人のための新しいツールでありメディアでした。そもそも、本の歴史を辿ってみると、 本を作った本人自らその本を売っていた。 本を書いたり作る人と、売る人が分かれていなかったわけです。


・電子書籍だけでなく、書籍もプロモーションしてくれるブクログ社はWeb上の心強いパートナーです。


●電子書籍『日の丸電子書籍はなぜ敗れたか~21st century eBook Story- 電子書籍の世紀 Kindle版』より
鈴木 秀生 (著
出版社: hidebook (2013/3/17)
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