このウェブサイトにおけるページは、電子書籍『決断の作法 Kindle版』(新 将命 著、出版社: ユナイテッド・ブックス)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・帝国データバンクの企業データベースに収録されている、約125万社の企業のうち、宗教法人や学校法人、医療法人などの非営利法人を除いた約118万社のなかで、設立から100年以上経営が続く企業はほぼ2万社になるという。200年以上は938社、300年以上は43社もある。老舗と呼ばれている企業
・根本原因は、「強い組織構築」と「方向性の明確化」だ。この2点をトップ主導のもと、徹底してケアしていくことこそが、会社の寿命を伸ばす最高の方策なのだ(中略)
つまり、方向性の明確化とは、激変する経営環境に合わせ、素早く的確に適応することであり、組織構築とは、絶えず会社の新陳代謝を続けることなのだ。
・去年1年間で、1000万円以上の負債を抱えて倒産した会社が1万5400社もあった。じつに、1日に42社が潰れている勘定になる。
・「自分に満足したら、その時からあなたは過去の人だ」
・中小企業の経営者に必ず問いかける2つの質問がある。 「あなたの会社は去年と比べて何が変わりましたか? 何をどう変えようとしていますか?」 「あなた自身は去年と比べて何が変わりましたか? 何をどう変えようとしていますか?」 この質問に対して即座に、なるほど、とうなずける返事が返ってこない経営者は、残念ながら本人も会社も大して期待は持てない
・決断の前には問題自体が正しいかどうかを考える「判断」が必要となる。
・「多長根」という考え方が大事だと考えている。この言葉は、「陽明学」をはじめとする中国数千年の知恵のなかから「正しいものの考え方」について抽出し、それに私が名づけた言葉である。
「多」とは、ものを考える際に、単面でなく多面、複面でとらえようということである。(中略)
「長」とは、決断が経営全体に対して及ぼす影響を短期のみで考えずに、長期的な視点から考えることである。
そして「根」は「根本」である。いたずらに枝葉末節(しようまっせつ)にこだわらずに、問題の本質は何であるかを根本に戻って考えることが大事(中略)
物事を判断する際、「多長根」を意識して考える習慣を身につけると、大きな判断ミスを犯す可能性は限りなくゼロに近づいていく。
・「全てを追えば全てを失う」。私の好きな言葉である。「何をやるか」を決断するためには、「何をやらないのか」を決断する必要があるのだ。
・経営者は「無情」であってはならないが、ときには「非情」に徹しなければならない。「友情」によって経営判断が曇ってしまうことは許されないのだ。
・決断には4つの種類がある。①何かをおこなう、という決断 ②何かをおこなわない、という決断 ③何かをやめる、という決断 ④決断を保留する、という決断
・迷いを明快に割り切るノウハウ(中略)。まず、現時点の悩みを「どう考えても解決できない悩み」(Worry)と、「解決しようと思えばできる悩み」(Think)の2つに区別して対応するのである。
・「最大のリスクは、リスクをとらないことである」(The greatest risk is not to take a risk.)という格言がある。何も決めない、何のリスクもとらないでは、社会の流れから取り残されて破綻してしまう。
・新規事業がスタートしたものの、業績が芳しくなかった場合には次の3つの対処法がある。①手直し(FIX) ②閉鎖(CLOSE) ③売却(SELL) このうち、②の閉鎖と③の売却の条件を事前に取り決めておくことがエグジット・プランにほかならない。
・クレド(credo)とは、ジョンソン・エンド・ジョンソンにおいては「わが信条」と呼ばれており、一般的には経営理念という名で呼ばれている。
・会社のルールには、変えていいものといけないものがある。創業者が掲げた経営理念は、その会社が存続する限り、変えるべきではないだろう。
・クレドとは、正しい決断を下すための指針であると同時に、全社員の心をひとつにまとめる求心力でもある。求心力が働いている会社では決断に大きなブレが生じにくい。ブレがなければ業務の生産性も高まる。生き残る会社、勝ち残る会社を作り上げていくためにかかせないものなのだ。
・「朝令暮改」という言葉は、「うちの社長は一貫性がない」などと、普通ネガティブな意味で語られることが多いが、実は、「いいことは必要に応じて変える」という前向きな言葉なのだ
・ウォークマンの開発は、ソニーの創業者のひとりである盛田昭夫氏が、海外出張の飛行機のなかで音楽を楽しみたいと注文を出したことがきっかけになったことはよく知られている。(中略)
いつでもどこでも、歩きながらでも音楽を聴けるような商品。それまでの常識を覆す、いわば「非常識」な商品であったがゆえに、反対者が多かったのだ
・とかく経営者の陥りやすい失敗は、自分の考えが一番すばらしいと思い込んでしまうことである。過去の私にもそういう時期があった。自分の考えを一方的に押しつけてしまうのだ。ところが厄介なことに、トップの考え方が常にベストであるという保証は全くない。
・権限移譲は創造性である(中略)「おまえさんに任せた、やってくれ」といわれれば、誰もが「やらなければいけない、どうしたらいいだろう」と前向きに考える。任せれば工夫する。だから創造性が生まれてくるという考え方である。
・実は、入社の時点で、優秀な人材を見抜く方法というのがある。(中略)
入社時の筆記試験の成績と十数年後の昇進との関係性はほとんどゼロだった。しかし、面接評価とその後の昇進には、見事な相関関係が見られたのだ。(中略)
中途採用で金の素材を採用するためのテクニックを確立した。面接のときには必ず、次に挙げる3つの質問をするというものだ。(中略)
・二番目は、「これまでにビジネスの現場で犯した最大の失敗は何ですか。その失敗から何を学びましたか」という質問。
・三番目は、「あなたがもしこの会社に入ったら、5年後、10年後、定年のときに何をやっていると思いますか、どういう人間になりたいですか」という質問。
・自信は過信に流れ、過信は慢心となる。慢心を放っておくと傲慢になる。経験が豊富なことは強味ではあるが、変化に背を向けてしまい、新しいものに対する関心が失せ、想像力も枯渇してしまう。
・同じ潰れるのなら、競争に負けて潰れるよりも、高い機械の代金が払えなくて潰れたほうがましだ。
・失敗から学ぶことは、成功から学ぶよりも貴重な経験が多い。成功体験なんて、ジジイの自慢話になることが多い。」 本田宗一郎氏は、失敗に学び、失敗を生かしきった経営者
・デール・カーネギーの本を何冊か、繰り返して読んだ。「D・カーネギーコース」という15週間の講座にも通って、人間関係やコミュニケーション力を勉強した。日本人では安岡正篤氏の本をよく読んだ。「胆識」という言葉は、氏の本から学んだ。まさしく人間力を養う本だと思う。この2人の本は、どちらかというとマインドを醸成するための本だ。 マネジメントについての考え方はピーター・F・ドラッカーから多くを学んだ。
●電子書籍『決断の作法 Kindle版』より
新 将命 (あたらし まさみ) (著
出版社: ユナイテッド・ブックス (2017/7/28)
※amazonで詳細を見る
Copyright (C) 2003-2024 eパートナー All rights reserved.