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司馬 遼太郎 氏 電子書籍『竜馬がゆく(三) Kindle版』(出版社: 文藝春秋)より

このウェブサイトにおけるページは、電子書籍『竜馬がゆく(三) Kindle版』(司馬 遼太郎 著、出版社: 文藝春秋)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・弥太郎は、笑わない。というより、竜馬はこの男の笑った面相を見たことがなかった。これほど愛嬌のない面つきを風に曝している男も、世にめずらしかろう。


・幕末の史劇は、清河八郎が幕をあけ、坂本竜馬が閉じた、といわれるが、竜馬はこの清河が好きではなかった。


・攘夷とは、開港をせまってくる外国を 攘 ちはらうということで、物騒きわまりない。


・世の中の 人は何とも云はばいへ わがなすことは われのみぞ知る(中略)十代のころにつくった歌である。城下で低能児よばわりされた竜馬のさびしさが、歌にこもっている。


・薩摩の大久保一蔵、西郷隆盛、長州の高杉晋作、桂小五郎といった連中も、ついにはその所属藩の立場を超越できなかった。つまり、 薩摩人、長州人であった。幕末で、日本人は坂本竜馬だけだったといわれる。


・竜馬は、議論しない。議論などは、よほど重大なときでないかぎり、してはならぬ、と自分にいいきかせている。もし議論に勝ったとせよ。相手の名誉をうばうだけのことである。通常、人間は議論に負けても自分の所論や生き方は変えぬ生きものだし、負けたあと、持つのは、負けた恨みだけである。


・土佐藩士にとっては、二十四万石の土佐藩だけが世界ではないか。この気持は、三百諸侯の藩士も同様のことである。人間の意識とは、その環境から容易に、いや絶対といっていいくらい、飛躍することは不可能なものである。


・竜馬は、知っている。(半平太のために惜しむ)とおもっていた。暗殺もまた政治行為の一つにはちがいないが、古来、暗殺をもって大事を仕上げた人物はいない。そう信じている。攘夷、すなわち勤王。開国、すなわち佐幕。というのが当時の図式である。


・人間に本来、上下はない。浮世の位階というのは泰平の世の飾りものである。天下が乱れてくれば、ぺこぺこに 剥げるものだ。事をなさんとすれば、智と勇と仁を蓄えねばならぬ


・竜馬は五尺八寸あったというから、当時としては人目を驚かすほどの大男である。

※補足:五尺八寸とは、およそ175cm。当時の平均身長は現在よりも小さかったので、かなり大きい人物だった。


・もともと、鈍なようにみえて、肚の中は一筋縄ではいかぬものを秘めている男だ。肚は、みせない。開国論者は、京では大根のように斬られてしまう。


・竜馬のすきな女性のタイプは「男まさりで才気があって」という姉の乙女に似たひとにかぎられている。千葉家のさな子。家老福岡家のお田鶴さま。


●電子書籍『竜馬がゆく(三) Kindle版』より
司馬 遼太郎 (著
出版社: 文藝春秋 (1998/9/10)
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