このウェブサイトにおけるページは、電子書籍『総理の乱心~福島原発事故の真相 Kindle版』(久本 福子 著、出版社: 葦書房)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・チェリノブイリでは4号機を石棺で覆った後は、爆発後運転を停止していた1号機から3号機の運転を再開している。これは、チェリノブイリ原発では事故後1年もしないうちに、1号機から3号機の運転が可能になるほどに、原発敷地内の放射能の放出が抑え込まれたことを意味している。
・あのチェリノブイリでさえ1年もしないうちに、原子炉からの放射能の放出を遮断できたにもかかわらず、なぜ福島原発では事故後2年以上経っても、大量の汚染水が発生し続けているのか。
・地震発生直前の3月7日には保安院、文科省、東電の三者による貞観津波評価に関する会合が開かれたという。
・防災訓練では15条通報から30分後には出されていた緊急事態宣言が、2時間半後になってやっと出されたということは、福島県をはじめ原発周辺地域の対応の遅れに直結しただけではなく、発電所の初動にも何らかの影響を与えたはずである。
・分秒を争う緊急事態下にあるというのに、官邸では、総理大臣へのレクチャーの準備に忙殺されていたのである。
・官邸は現場の作業の一つ一つに異常介入を続ける一方、真に必要な後方支援にはほとんど動いていない。
・原発の危機は全交流電源が失われたことに端を発している。そして電源が失われたことで、正規の冷却機能が失われ、放置すれば原発爆発という大惨事が待ち受けていることは、チェリノブイリ事故で実証済みである。
・総勢12名の自衛隊の給水部隊は、12日の7時すぎに福島第一原発に到着したのであるが、すぐには給水活動には入れず、1時間半ほど足止めを食らったという。菅総理ご一行の視察とぶつかったからである。給水は菅総理ご一行が帰った後の9時頃から開始し、14時頃までつづいたという。
・注水率0,1%の放水は、一体何の役に立ったのか。何の役にも立っていない。それどころか、外部電源復旧を妨害し、爆発の証拠物を流し去り、大量の高濃度汚染水を蓄水しただけである。
・原災法、原災マニュアルという原発事故対応の根拠法とそのマニュアルが存在するにもかかわらず、それらの法規を無視して、総理大臣の恣意的な組織やメンバーで事を進めるということは、法治国家である日本の存立基盤の根本を揺るがすだけではなく、国家を私的に利用することをも意味するからである。
・しかも国会事故調の報告によれば、10Kmや20Km圏内の避難指示は、「何らかの具体的計算や合理的根拠に基づく判断ではなかった。」「一部の者が個人的知見に基づき大丈夫だろうと判断した結果決定されたものにすぎ」なかったという杜撰さ。
・米軍の救助活動は「トモダチ作戦」と命名され、被災地救援に多大な貢献をした。ただその後、この作戦に要した費用は日本側負担となることが明らかになり、「トモダチ作戦」の「トモダチ」の意味が完全消滅させられただけではなく、この作戦に参加した米軍兵士の多数が、作戦中に被爆したとして、東電に対して莫大な損害賠償を求めて裁判を起こしており、日本にとっては想定外の作戦後遺症に苦しめられる結果になっている。
・つまり、福島原発ではいずれの炉も、水素爆発を起こすほどの高温に達したと判断しうる状況にはなかったことは明らかである。
・実は専門家も専門組織も多数存在していたのである。にもかかわらず、原子力の規制組織では素人の役人が権限を握り、原子力の専門家や専門組織は陰で下働き的な扱いしかされていない。
・電子書籍にも専用の取次のあることを今回、初めて知った。従来の取次は使えず、電子書籍としてはゼロからの出発である。
●電子書籍『総理の乱心~福島原発事故の真相 Kindle版』より
久本 福子 (著
出版社: 葦書房 (2013/6/17)
※amazonで詳細を見る
Copyright (C) 2003-2024 eパートナー All rights reserved.