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日本書籍組合連合会の調査結果から書店経営が悪くなった原因を紹介したい。
順位 |
原因・調査 |
備考 |
1位 |
客数・客単価の減少 |
今後も生産年齢人口減少・少子化は避けられない |
2位 |
雑誌の低迷 |
出版社の企画能力不足・読者は雑誌一冊必要ない |
3位 |
ネット書店の影響 |
ネット書店プラットホームは2社で十分。他は必要ない |
4位 |
消費税の増加 |
消費税が10%になったら書店の廃業続出する可能性あり |
5位 |
競合店の出店 |
大手チェーン店の出店バブル終了。新たに店舗もできず |
6位 |
立地環境の悪化 |
消費者の移動が厳しいが個人書店ではどうする事もできず |
7位 |
マージン不足 |
出版社・取次が何もしてこなかった結果。書店の利益不足 |
8位 |
売れ筋商品の入荷難 |
書店1万店では入荷数は限られる。大手チェーン店優先 |
9位 |
営業コストの増大 |
人件費を含めて増加。少ない利益で耐えられない |
※日本書籍組合連合会調査による。ただし、備考欄は筆者の判断
日書連加盟書店数は1990年には12556店。2017年にはわずか3604店になってしまった。このまま行くと、同時に県単位の日書連団体も消滅する可能性あるだろう。そのほとんどが後継者難の中小零細書店である。
中小書店の売上の主力商品、雑誌とコミックスの落ち込みが例年以上に酷すぎ、後継者難と売れ行き不振・アルバイト不足で2018年度は想像以上に廃業が出る可能性がある。書店でありながら何を商材として継続していくのか。
大手チェーン店も出店バブルで売り上げ予算が不足し書店店舗リストラも視野に入る。いずれ大手チェーン書店は取次への支払いが滞り身売りの話が今年は出てくる可能性が出てきた。教科書を販売している書店も生徒数の減少で徐々に体力が弱ってきている。電子教科書の拡大で書店の介入する余地は考えられない。
年商10億円を切った書店は過去5年間を調べても二度と売上10億円には戻っていない事が統計上に証明されている。
再販に守られているとはいえ返品が増加すれば元の子もない。まず攻める書店と、ダメな書店をはっきりさせること。次にその書店の定点観測を見る。定点観測やらず書店促進をする営業マンはいない。その書店の立地条件がはっきり見えてくる。
次にインターネットという武器があるのだから自社の商品を有効活用すべき。自社商品に自信があればネット経由に任せればいいし、他社とのジョイントも考えられる。要は、取次のシステㇺに全て任せることは危険だ。但し、商品の質が悪ければ論外。これだけ読者人口が減っているのだから企業規模の縮小も考えられる。
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
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