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谷 厚志 氏 書籍『「怒るお客様」こそ、神様です!~クレーム客をお得意様に変える30の方法』(徳間書店 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『「怒るお客様」こそ、神様です!~クレーム客をお得意様に変える30の方法』(谷 厚志 著、徳間書店 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・クレームをあげてくる方というのは「また次も使いたい」と言う要望を持っている


・苦情・クレーム対応アドバイザーの関根眞一氏が調査してまとめた『日本苦情白書』によれば、クレームを上げてくるお客様は、60代の方がいちばん多いそうです。


・知っておきたいクレームの3つのパターン(中略)

①商品(サービス)へのクレーム(中略)
②顧客対応へのクレーム(中略)
③お客様の勘違いによるクレーム
意外に思われるかもしれませんが、クレームの10%は、お客様への勘違いと思い込みによるものです。


・人間の怒りの感情というのは、「第二の感情」だといわれています。最初に怒り以外の「第一の感情」があって、それが徐々に怒りに変わっていくというのです。

ですから、クレーム対応では、怒りに変わる前の第一感情を洗い出すことが重要になります。では、第一にくるものが何かというと、「不平・不満・不安」といった「不」の感情です。


・「それは本当にがっかりされましたよね(中略)」

ここでのポイントは、まず、お客様が感じられたこと、つまり「お客様の感情」を対応者が口にしたということです。そのときのお客様の感情をこちらが表現することによって、お客様は「共感」してくれていると考えます。


・お詫びは、全面謝罪ではなく「限定」でするのがポイント(中略)

「事柄」や「お客様の気持ち」に対してのみ、お詫びをする(中略)

「ご満足いただけなかった」「ご期待に添えなかった」「ご要望に沿えなかった」という事柄や、お客様の気持ちに対してのみ、まずはお詫びをするということが重要です。


・オープニングで外さない方法は、「ご期待」「ご満足」「ご要望」という三つの言葉(のどれか)を入れて対応することです。これはどのようなクレームにも通用します。


・〈効果的な3つの相づち〉

①「そうだったのですね」(中略)
②「そんなことがあったのですね」(中略)
③「お客様が○○に思われるお気持ち、よくわかります」


・電話を切る直前に必ずしておきたい一つの質問(中略)

「お客様、このたびはお部屋にご満足いただけなくて申し訳ございませんでした。最後にひとつご質問させていただきたいのですが、そのほかの、お料理ですとか、従業員のおもてなしですとか、何かご満足いただけたことはございませんでしたでしょうか?」


この質問を投げかけるとクレームの原因になっていたNGポイントについてお許しいただけ、ご不満も消えてしまわれるのです。


・「全部悪かった。いいところはひとつもなかった」と返ってきたとしたら、そのときはどうしたらいいのでしょう?(中略)

このような場合は、逆に、悪かったところを全部引き出すようにしましょう。お客様に、イヤなことを全て吐き出してもらうのです。これによりお客様は、対応側の懐の深さを感じ、「クレームをアドバイスして捉えようとしてくれる会社なんだ」と思われので、そこにもやはりプラスの関係が生まれます。


・一人で抱えきれないハードクレームの場合は、人を代える、時間を変える、場所を変えるということが大切です。


・「お詫び」で使いたい言葉(中略)

▼「不満」に対して
「ご満足いただけなかったようで、申し訳ございません」
「お楽しみ頂けなかったようで、申し訳ございません」(中略)

▼「不便」に対して
「ご不便をおかけしましたようで申し訳ございません」(中略)

▼「不安」に対して
「ご心配をおかけしましたようで申し訳ございません」(中略)

▼「不快」に対して
「ご不快な思いを与えてしまいまして申し訳ございません」


・「傾聴」で使いたい言葉(中略)

▼「受け入れる」言葉
「そうだったのですね」「そうでしたか」
「よくわかります」「お気持ち理解できます」
「そのようなことがあったのですね」「そう思われたわけですね」
「おっしゃる通りですね」
「それでお電話をいただいたのですね」


・クレーム対応では絶対にタブーです。

● NG ワード

「できると思います」(推測で話しているので×)
「○○しているはずです」(共感していないので×)
「お客様のお話はわかりますが」(受容していないので×)
「その分、お安くしておりますので」(言い訳しているので×)


・●二重否定(中略)

交換するには保証書が必要だという場合
「保証書がないと交換できません」 ×
「保証書をお持ちいただければ、交換させていただきます」 〇


・共感は相手の「理解」ですが、同調は相手への「賛成」だといえます。ですから、これまでさんざん同調(=賛成)してきたのに、「金を返せ」となった瞬間に「できません」となると、お客様としては裏切られたかのように思いにかられてしまいます。(中略)


クレーム事例 20

「共感の女王」が陥ったワナ(中略)

なかには、お客様の勘違いで、どう考えても返金の必要のない問題に対しても、共感のつもりで、「おっしゃる通りですね」「ごもっともだと思いますお客様」と同乗していたことで、「おまえさっきオレにそのとおりだって言ったのに、何でそれができないんだ!」と、怒鳴られているものもありました。(中略)

共感と同調の違いに気付かずにいたことで、このような悲劇に見舞われていたのです。(中略)


「できない」と言わずに「代案」を出す(中略)

「できない」という言葉は絶対に使わないでください。(中略)

私の親友に、全国チェーンの大手の靴屋さんで店長をしている男性がいます。彼は、アルバイトで入って店長まであがったトップセールスです。(中略)

「在庫がありません」と言われると、残念ながらあきめるより仕方がないと考えてしまいます。(中略)

「お客様申し訳ございません。同じの靴のものはありませんでした。なかったんですけど、もしよろしければ・・・・・・」と、3足の靴を差し出し対応する(中略)

1足、2足だと、押し付けがましいのか、選択の余地がせま過ぎるからなのかはわかりませんが、なかなか購入にはつながったものが、3足用意してく行くようになったらグンと購入率が高くなったそうです。


・クレーム事例 21

診療時間に代案を出した小児病棟(中略)

常に混んではいるものの、なぜか行列が緩和されるようになったのだ。

その秘密は、受付で「〇曜日の〇時でしたら比較的空いておりますので、もし可能でしたら、その時間帯にいらしてください」という情報提供がなされるようなったということ。


・逆ギレは自分と相手の常識、自分と相手の価値観がそぐわないことから起きている(中略)「あの人は間違っている」と捉え、敵のように感じてしまうのでしょう。(中略)「間違っている」、「違っている」というふうに考えてみる。


・これまでにクレームになったことは、これからもお客様からクレームがくる可能性があるので、情報開示することが、事前防止策につながるのです。


・お詫びの手紙のポイント(中略)

①お詫びと共感
限定付謝罪とお客様が被った不の感情に共感する。
②原因究明
なぜ、このようなことが起きたのかを報告する。

③再発防止と解決策(将来への打ち手)
同じ過ちをしないという事とお客様の不利益に対して何をするのかをお伝えする。

④最後にもう1度、お詫び
再度お詫びし、ご理解を得るようにお願いする。


・○○○○様

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
先日は、私とも「○○○○」をご利用いただきまして、
誠にありがとうございました。

 数多い店の中から当店をお選びいただきましたのに、
大変ご不快な思いをされたことと存じます。ご迷惑を
誠に申し訳ございませんでした。
 私どもを信頼してご予約いただいたにもかかわらず、○○様が
深く落胆されたことを想像しますと心苦しい限りでございます。

 今回の原因としましては、お電話でのご予約受付時に
○○様のご予約内容を復唱しなかったことにより、予約時間を
取り違えるというミスを起こしてしまいました。

 この度の事を厳粛に受け止め、深く反省するとともに、
今後、同じことがなきよう予約受付時の業務改善を徹底していく
所存でございます。また形ばかりのことになってしまいますが、
当店のサービスチケットを同封させていただきます。期限等
設けておりませんのでお客様のご都合のよいときにお越し
いただけますことを心よりお待ちしております。

 せっかくのご来店の機会であったにもかかわらず、ご不快
な思いを与え、お時間も頂いてしまいましたこと、
重ねてお詫び申し上げます。

○○様におかれましては、何卒ご容赦賜わり、今後も
「○○○○」をご愛顧くださいますよう宜しくお願い申し上げます。

                謹白 平成23年〇月〇日
              店名「〇〇〇〇」
              東京都千代田区○○○○
              0120-000-000 営業時間10:00~18:00
              名前 手書きで署名


お詫び状-ひな形.docxファイルをダウンロードする
※書籍に載っていたものを筆者がマイクロソフトのワードで作成


・自らクレームを追求する

「ユニクロ」がまだまだ知名度の低かった時代、「ユニクロに悪口言って100万円」という一面広告が、全国紙・週刊誌に掲載されたことがあります。約1万通もの悪口が寄せられたそうですが、この企画は、顧客が何を求めているのかを知るためのもの(中略)

寄せられたクレームには、デザインがうんぬんということではなく、ほとんど、シャツが1回洗ったら伸びてしまったといった、機能性のことばかりが書かれていたそうです。


・クライアント先の旅行会社での調査から、意外にも、クレームで多いのは「料金の安い宿だった」ということが判明しました。(中略)

一方、料金の高いところにはクレームが少ないものです。この場合は、アラ探しではなく、高く料金を出した分をしっかり満喫しようという「付加価値」をお客様自らがつくり出してしまうからです。


・今の消費者というのは、情報収集能力に長けているので、弱点を隠しとおすよりは、逆に最初から実情を公開し、判断は相手にゆだねたほうがスマートで、好印象を与えることにもなります。


・クロージングの言葉(中略)

▶褒める
教えていただいてありがとうございます
本当に助かりました
ご指摘ありがとうございます
初めて知ることができました
そこまでお考えいただいてお電話いただいたのですね
どうして私どもにお教えしようと思われたのですか?
お客様だけです。そう言っていただくのは・・・・・・
他のお客様にもご迷惑をおかけするところでした。


●書籍『「怒るお客様」こそ、神様です!~クレーム客をお得意様に変える30の方法』より
谷 厚志 (著)
徳間書店 (2011年10月初版)
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