このウェブサイトにおけるページは、書籍『平野甲賀 装丁術~好きな本のかたち』(平野 甲賀 著、晶文社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・編集者とはどうつきあうか(中略)
あまりつきあったことがない出版社のばあいだと、編集方針とか経営状態、社員数や出版点数をきいたりもします。本を出すということを、どういう運動のかたちでやっているのかをおしえてもらう。その動きのなかで自分が一定の役割をはたしていくことになる以上、それは当然なことだと思うんです。
・担当の編集者に、その著者がどんな人か、根掘り葉掘りきくんです。考え方や職業や年齢や生活態度と言ったことはむろん、その人のちょっとしたエピソードで癖なんかもね。その人はいまなにを面白いと思っているかということがいちばん気になる。そういう著者の生き方がどこかに反映しているデザインでなければしようがないと思う。
・あまり写真は使わない。(中略)写真が語ることと、イラストレーションが語ることとのあいだには、かなりのちがいがあるようだ。
・大学をでて最初の二年間は、高島屋の宣伝部にいて新聞広告ばかりを作っていた。そのせいかもしれない。たくさんの情報をつめこむ。色は使えない。でも商品名は価格がはっきりと読みやすくなければならない。そういう新聞広告のやり方が、いまにいたるまで、ぼくのデザインの一つの基礎になっていると思う。
・仕事場は自分の家です(中略)自分の家を仕事場にするようになってから四年経ちました。玄関わきの六畳くらいの小さな部屋です。
●書籍『平野甲賀 装丁術~好きな本のかたち (シリーズ日常術)』より
平野 甲賀 (著)
出版社: 晶文社 (1986年7月初版)
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