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日経MJ 2018年8月1日号に、2017年度の出版物卸業(取次)売上ランキングが発表された。紹介したい。
順位 |
社名 |
売上 |
前年比 |
経常 利益 |
前年比 |
粗利 益率 |
取引 店数 |
1 |
日本出版販売 |
579,094 |
▲7.3 |
2,550 |
5.9 |
12.5 |
4,252 |
2 |
トーハン |
443,751 |
▲6.8 |
2,413 |
▲42.3 |
13.4 |
4,488 |
3 |
大阪屋栗田 |
77,037 |
▲3.9 |
- |
- |
- |
1,057 |
4 |
図書館流通 |
45,131 |
5.3 |
1,841 |
▲10.6 |
17.6 |
- |
5 |
日教販 |
27,367 |
▲0.8 |
218 |
83.2 |
10.7 |
- |
6 |
MPD |
180,793 |
▲3.9 |
418 |
▲50.5 |
4.3 |
- |
※単位:100万円
※日経MJ 2018年 8月 1日号調べ
売上トップの日版はマイナス 7.3%と 5期連続の減収となった。取次会社の経営を支えてきた要の雑誌が減収となり、書籍の慢性的な赤字経営を補えない。CVSも雑誌が売れず取次は配送コストの負担増となり、返品処理コストも増加した。
売上 2位のトーハンもマイナス 6.8%と 4期連続の減収となった。トーハンも配送費の増加が負担となり営業利益が落ち込んだ。加えて取引先書店が日版 222店トーハン 130店も消失し売上減少に影響を及ぼしている。
大阪屋栗田は、売上マイナス 3.9%だが、表にはない当期純利益が 10憶6200万の赤字となる。出版業界に対して決算も公表しないとなったのは取次というより、楽天の子会社として全てサバイバルになると予想する。
楽天が増資をしたばかりが、今期はともかく大阪屋栗田はどの様な道をたどるのか。それよりも不良債権を有している帳合い書店の処理方法が気になるところ。楽天に取次経営ができるのだろうか。
図書館流通だけが前年比をクリアしている。
TSUTAYAのために作った販売会社であるがMPDも前年比マイナス。経常利益が前年比マイナス 50.5%になっているのが気になる。更に粗利益率が 4.3%しかないというのも気がかりだ。
因みに競争相手であるゲオHDは 299,262百万、前年比 11.6%の伸び経常利益は 15,248百万 店舗数 1,843店となった。
寄稿 : 出版流通コンサルティング 冬狐洞 隆也 氏
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