このウェブサイトにおけるページは、書籍『人を見抜く技術~20年間無敗、伝説の雀鬼の「人間観察力」』(桜井 章一 著、講談社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・“違和感を感じる”ということ、それをどう感じ取っているのかということを言葉にするのはかなり難しい。そこには多分に、感覚的なものが作用するからだ。
・一部分を見るのではなく全体を見つつ、過去の動きに残像と照らし合わせて違和感を炙り出す。それにはまず、全体を捉える視力を磨かなければならない。
・テレビ画面という一部分だけ切り取られたものを見ていると、こちらの目まで切り取られてしまったかのように錯覚すら覚える。自然に即した全体を見る力はあるが、人工的に切り取られた一部を見る力は私にはない、ということなのだろう。
でも、その“人工的に切り取られた一部分を見る力”だけになっているのが現代の生活ではないだろうか。
・私は女性と歩道などで対峙したとき、なるべく車側に避けるようにしている。これは相手が子どもなどでも同じだ。夜の場合はさらに気を遣う。女性というのは、夜道を歩いているときは警戒心のかたまりで緊張感がみなぎっている。その緊張を少しでも解いてもらうために、私は女性が向こうから歩いてくるのに気づいたら道の反対側に移るようにしている。
・人間なら、誰もが大なり小なりいやらしい部分を持っているものだし、ましてや、それをなくすことなんて誰にもできやしない。それならば、そういった気になる部分が少しでも表に出ないように収めておくようにする。収めたうえでさらに、少しでも美しい動き、思考となるように修正をしていく。それが大切なのだ。
・人間関係をおいて、自分がどう思われているか、自分の位置はどのあたりかといったことを気にする人が多い。馬鹿にされたくない、意地悪されたくない、大切にされたい、その他いろいろ。
要は、まわりから一目置かれたいのだ。そのもっとも手っとり早い方法が“よいモノを持つ”ということ。よいモノを持っていれば(身につけていれば)、まわりの受け答え方、扱い方が変わってくる。
・ダメな性格は直さず「緩和」する(中略)
では、性格を直せないのならどうすればよいのか? それには“直す”のではなく“緩める”という感覚を持つことが大切だと思う。
カゼを引くと咳が出る、鼻水も出る。しかし、ずっと出ているわけではなく、少しずつ緩んでいく。性格も、この感覚で少しずつ緩めていきいけばよいのだ。
・“無茶”はいいが“区茶”はダメだということだ。“無茶”と“無茶苦茶”は違うのだ。ここを勘違いしてはいけない。
“無茶”が“無茶苦茶”になってしまうと、人様に迷惑をかけたりとか、独りよがりとかいったことが多くなってしまう。
・現代の子どもたちは、私が子どもだった頃と違って、なかなか“無茶”ができなくなっているようだ。(中略)
これは、大人たちが自分の責任を放棄してしまったからにほかならない。親は親の責任を果たさず、なんでも他人のせいにする。学校は、そんな親が怖いから、いろいろな制約を設けて予防線を張っておく。
・人間は、自由を求めながらもどこか管理されることを喜び、管理されているほうが楽と考える面がある。
・結果より挑んだ過程こそ尊い(中略)
能力社会では「できたことが偉い」とされる。でも私は、「できないながらも、できっこないことに挑み、がんばっている子のほうがもっといい」と考えている。
・媚を売る、努力を売るなど、なにか売ってる人はやはりどこから見ても格好悪い。
・「人によく思われたい」という気持ちが強すぎると八方美人になりやすい。誰にでもいい顔をしているのだが、結局は自分のことしか考えていない。
・無口な人の中には、人生において人間の怖さ、言葉の怖さをどこかでたくさん味わってきたという人もいる。言葉は伝導するものだから、自分の中の不安とか怖さに響いてくる言葉に囲まれていた時期があったのだろう。だから、言葉にはなるべく触れたくないと殻に閉じこもってしまったのだ。
・人の悪口ばかりいってる人は、そうゆう割り切り方がなかなかできない。自分よりもまず最初に他人を見てしまう。そして人を責める。本当は、自分をよく見つめてから話さなくてはならないのに。
悪口、陰口の多い人に限って、逆に自分が悪口や陰口を叩かれると異常な反応を示し、激高したりする。
これは自分が助かりたい、幸せになりたいという気持ちの表れだ。悪口ばかり言う人は、自分ができるだけ高い人、上の立場に持っていこうとする。
●書籍『人を見抜く技術~20年間無敗、伝説の雀鬼の「人間観察力」』より
桜井 章一 (著)
出版社: 講談社 (2009年1月初版)
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