このウェブサイトにおけるページは、書籍『孤独病~寂しい日本人の正体』(片田 珠美 著、集英社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・つながりたい……認められたい……愛されたい……そんな激しい飢えが全身から漂っているように見えて、ハッとすることもある。
・もちろん、生きている限り、人から飢えが消えることはない。なぜなら、飢えは人を人たらしめる根源的なものにほかならないからだ。それが人からなくなるのは、死ぬときだけだろう。
・断捨離など掃除をテーマとする本がよく売れるのは、裏を返せば片づけられなくて困っている人がそれだけたくさんいるということだ。
・自己愛が孤独を増幅させる
・孤独病にかかる人は概して自己愛のベクトルが強い。自己愛が強いほど自分のほうばかりに目が行き、他人のことには関心が持てなくなる。そうなると他人との関係は深まらず、孤立の傾向を強めていくことになる。
・自撮りをフェイスブックやツイッターに載せる人たちの心理とはどのようなものだろうか。まずそこには他人から注目されたいとか、認められたいといった、自己顕示欲や承認欲求がしばしば潜んでいる。
・「いい人」として謙虚に振る舞うのは、周りの人から嫌われて孤立したくないためのように私には見える。本心から謙虚であるわけではなく、孤立や孤独を恐れるあまり謙虚にしているような人の中には本当は傲慢な人もいるだろう。
・気くばりというのは本来、相手のことを考えてするものなのに、自分が相手からどう見られるかをまず優先的に考えるような形だけのものになってきている
・孤独病にかかっている人はよく「誰も自分を愛してくれない」などと訴える。でも、そういう人に限って誰のことも愛していないものだ。
・親の支配力が強いせいで、欲求をいつも抑えられた子どもは、自分の存在を親から受け入れてもらっていないと感じやすい。そのために生まれる自己否定感が深く根を張って、自分をなかなか肯定できないのである。
・キャバクラやクラブ勤めの女性が客にリクエストするプレゼントの上位には、ブランドもののバックが必ず入る。フロイトにいわせれば、バックというのは精神分析的には性的な意味合いを持っているということになる。男性器を入れる女性器の象徴とみなされるからだ。同時にそれはお金や愛情を入れたいと言う無意識的願望が投影された器という解釈もできるのである。
・引きこもりに陥る人は、総じてプライドが高く完全主義の傾向が強い。完全主義の人は、一〇〇を目指してそれが叶わなければゼロでいい、というような極端な振れ方をする。
・孤独は果たしてそんなに悪いことなのだろうか? 人は一人で生まれてきて、一人で死んでいく。孤独は多かれ少なかれ誰でも経験する。孤独は避けようとしても避けられない。むしろ必要以上に避けようとするからこそ、悩むことになるのかもしれない。
・精神科医というのは、孤独と縁の深い職業である。孤独な患者さんの悩み事を聞くのが仕事なのだから。
そのせいか、孤独に悩んでいる精神科医が少なくない。他人から悩みごとを相談される立場でいながら、自分自身の悩みは誰にも打ち明けられない孤独な状況にいる人を「ヘルプレス、・ヘルパー」と呼ぶのだが、精神科医はどうしてもそうなりやすい。
・世の中には「他人に自分の悩みを相談するなんて弱い人間のすることだ。自分が弱みを見せるのことはできない」と思っている人もいるだろう。そういう人はますます孤独になり、追い詰められてしまう危険性が高い。
・強がっている人ほど、ポキンと折れやすいということを忘れてはならない。
●書籍『孤独病~寂しい日本人の正体』より
片田 珠美 (著)
出版社: 集英社 (2015年10月初版)
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