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田坂 広志 氏 書籍『未来を予見する「5つの法則」』(光文社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『未来を予見する「5つの法則」』(田坂 広志 著、光文社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・世界は、あたかも、螺旋階段を登るように、発展する。


・現在の「動き」は、必ず、将来、「反転」する。


・未来は、「予測」できない。しかし、「予見」はできる。


・「具体的な変化」を予測することはできない。しかし、「大局的な方向」を予見することはできる。


・「世の中は、この方向に向かう」「社会に、このトレンドが生まれる」

そういった「方向的な予見」(中略)「大局的な予見」(中略)はできるのです。

すなわち、未来に起こる「細かな動き」は分からない。しかし、未来に向かっての「大きな流れ」は分かる。


・水は、必ず、低きに流れていく。それが、本来、「大局観」と呼ばれるものです。

そして、その「大局観」を働かせることによって、未来は「予見」できるのです。


・弁証法の「五つの法則」

第一の法則ー「螺旋的プロセス」による発展の法則(中略)

第二の法則ー「否定の否定」による発展の法則(中略)

第三の法則ー「量から質への転換」による発展の法則(中略)

第四の法則ー「対立物の相互浸透」による発展の法則(中略)

第五の法則ー「矛盾の止揚」による発展の法則


・世界の「未来進化」と「原点回帰」は、同時に起こる。


・「進歩」や「進化」とは、単に、新たなものが生まれてくるプロセスではない。また、単に、古いものが捨てられていくプロセスでもない。

それは、古いものが、新たな価値を伴って、復活してくるプロセスなのです。

古いものが、新たな形で、復活してくるプロセスなのです。


・「螺旋的発展」とは、単なる「復活・復古」ではない。(中略)

上から見ていると、元の場所に戻ってくるように見えるが、横から見ていると、必ず、一段、登っている。必ず、何かが、進歩・発展しているのです。


例えば、Eコマースにおいて復活してきた「オークション」や「逆オークション」。それは、昔の「競り」や「指値」の方式が、ただそのまま「復活」してきたのではありません。(中略)


昔の市場における「競り」や「指値」は、せいぜい「数百人」程度の人々の間でしか、できなかったからです。


・「復活」が起こるとき、その多くが、「便利になった、懐かしいもの」として復活してくるからです。(中略)


そのことの具体的な現れは、多くの場合、かつてよりも、「合理的」になり、「効率的」になり、「使いやすく」なり、「新たな機能」が付加され、「便利になっている」ことなのです。


すなわち、「懐かしいもの」が「便利になって」戻ってくる。


・「進化」においては、「古いもの」が消えてゆかず、「新しいもの」と共存し、共生していく。


・「電子ブック」がどれほど普及しても、「紙の書籍」は、決して無くならない。

両者は、必ず、共存し、共生し、それぞれに棲み分けていくでしょう。

それは、実は、生物の世界の「進化」の姿を見れば、明らかなのです。


・どうすれば、世の中の「螺旋的発展」を目撃することができるのか。まず、「社会観察」をすることです。例えば、世の中の「最新の流行」や「ヒット商品」を見ることです。世の中の「新たな社会システム」や「新たな制度」を見ることです。(中略)

何が「懐かしい」のか。何が「便利になったのか」。

そのことを考えるとき、世の中の変化の「本質」が見えてくるでしょう。世の中の変化の「未来」が見えてくるでしょう。


・社会や市場の進歩と発展に置いて起こる出来事の基本的な方向は、「合理化」と「効率化」です。


・「量」が、一定の水準を超えると、「質」が、劇的に変化する。(中略)


例えば、異なった技術規格の新製品が市場で激しい競争を繰り広げて、一つの製品がシェアで優位に立ち、そのシェアが、あるレベルを超えると、多くの顧客が、加速度的にその製品を買うようになり、結果として、その製品の企画が「事実上の標準」となり、市場を独占していきます。


・「ユーザ数」が増え、ある一定の水準を超えると、そこから「自己加速」が始まり、社会や市場の性質が、急速に、そして大きく、変わっていく。


・「ユーザ数」を一挙に増やすという戦略もまた、「主戦場」の移行を早めるための戦略であり、「量から質への転化」を加速する打ち手に他ならないのです。


・対立し、競っている者同士は、互いに、似てくる。

第四の法則
「対立物の相互浸透」による発展の法則


・「リアル・ビジネス」と「ネット・ビジネス」は、必ず、融合する。(中略)


互いの「学び合い」が起こり、「相互浸透」が起こり、二つが「融合」したビジネスモデルが、常識となり、主流となっています。


・「営利企業」と「非営利組織」は、互いに、「社会貢献事業」へと進化する。(中略)


これまで利益追求を至上命題とする傾向があった「営利企業」にも、「社会的責任」と「社会貢献」が求められるようになっています。ただ自社の利益のためだけに活動するのではなく、広く社会の利益のために活動することが求められるようになったのです。


・マネジメントの本質は、「矛盾のマネジメント」である。(中略)

例えば、企業の経営における「利益追求」と「社会貢献」の矛盾。(中略)

企業であるかぎり、我々は日々「利益」を上げていかなければならない。「利益」を上がなければ、社員に給料を払うことも、企業として存続していくことができないからです。

しかし、一方で、(中略)「社員に給料を払う」ことだけが企業の責任ではありません。社員が「働き甲斐」を感じられる企業になること。それも企業にとっての大切な目標です。(中略)


しかし、優れた企業は、この「矛盾」への処し方が、見事です。(中略)

では、それは、どのようなマネジメントか。(中略)

弁証法的な「止揚」をすることです。では「、「止揚」とは、何か。(中略)

いずれか一方を否定するのではなく、両者を肯定し、包含し、統合し、超越することによって、より高次元なものへと昇華していくことです。

「矛盾のマネジメント」の要諦は、振り子を振って、バランスを取ることである。


・これからの時代、消費者は、自分の欲しい商品を、「自分のためだけに作られる商品」として設計し、発注し、入手することができるようになる


・「考える文化」から「感じる文化」へ。(中略)

「言葉」や「文章」を読み、「論理的」に何かを考える能力だけでなく、「写真」や「映像」を観て、「感覚的」に何かを感じる能力。(中略)

ただし、ここで誤解をしてはならないでしょう。それは、決して、我々の「言語能力」や「論理的思考力」は衰えていくことを意味していません。

これから起こることは、あくまでも、「弁証法的発展」。

「対立」するかに見える異なった能力が、「統合」され、「止揚」されていくのです。


・我々が生きる社会の進化とは、その社会の中に存在する価値観が、多様化していくことなのです。そのことによって、社会の進化が促され、進化の未来の可能性が広がり、真に「豊かな社会」が実現していくのです。


・すでに始まっている科学技術や資本主義と東洋文明との融合(中略)

例えば、アメリカのシリコンバレー。世界の科学技術と資本主義の最先端と呼ぶべき、この先進的地域。

この地域で、書店に入ると、不思議なことに気がつきます。

店に積まれているのは、コンピューター・サイエンスやバイオテクノロジーなど、科学技術の書籍、そして、ベンチャー・ビジネスやマネジメントなど、経営分野の書籍。

しかし不思議なことに、それらの書籍の横に、必ず、積まれている書籍がある。

禅、仏教、密教、タオイズム、インド哲学……。

そうした「東洋思想」に関する書籍が、必ず、積まれているのです。(中略)

二つの文明の融合が始まっている。


・これから起こる「十二のパラダイム転換」(中略)

言葉を使ったコミニケーションではなく、言葉を使わないイメージ・コミニケーションが広がっていく。

「考える」ことを重視する文化と、「感じる」ことを大切にする文化が融合していく。(中略)

東洋文明と西洋文明が互いに学び合い、21世紀の「新たな文明」が生まれてくる。


●書籍『未来を予見する「5つの法則」』より
田坂 広志 (著)
出版社: 光文社 (2008年9月初版)
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