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書籍『耳科学~難聴に挑む』(鈴木 淳一 著、小林 武夫 著、中央公論新社 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『耳科学~難聴に挑む』(鈴木 淳一 著、小林 武夫 著、中央公論新社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・音の性質(中略)

気体では、温度が上昇すると音は早く伝わる。常温の空気中では約三四〇メートル/秒である。水中では戦後一五〇〇メートル、鉄やガラスでは五〇〇〇メートルに達する。


・音の三要素

a 強さ・大きさ(中略)
b 高さ(中略)
c 音色


・ユダヤ教の「タルムード」の中に「人間は口が一つなのに、耳が二つ。それは人間は話すことの二倍はきかなければならないから」という言葉がある。これは討論するためにはまずよくきけ、という古代ユダヤ人の教訓である。


・耳が二つあることで便利なことは、音源の方向の識別(音源定位)が可能なことである。


・耳には二つの働き、聴覚と平衡覚がある。そのことは耳の病気になると、耳鳴り、難聴、めまいを伴うことでわかる。


・広い意味で「きこえない」状態は、次の三つである。

①音がきこえない。これには、軽い難聴から、中等度難聴、高度難聴まである。医学ではまったくきこえない場合を聾という。
②音としてはきこえているが、音を大きくしても内容が理解できない。
③ききなれていないはずの音がきこえていない。


・人がようやくきこえる音圧は、一〇〇〇ヘルツでは二〇マイクロパスカルである。日常会話での音圧はその一〇〇〇倍、耳が痛くなるような大きな音ではさらにその一万倍にもなる。


・身近な音の大きさをデジベル(dB)で示す


・中等度難聴(四〇~六〇デシベル)


・難聴にはどんなタイプがあるかーーー伝音性・感音性・混合性


・ウィルス感染

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は幼少時がかかりやすい。内耳が冒され、高度の感音性難聴が起きることがある。この難聴は回復しない。どういうわけか、両耳ではなく片側だけがほとんどである。


・ディスコ難聴あるいはヘッドフォン難聴ーーーこれまで大きな音量で何度もきいているのに、急に難聴がおこることがある。

・難聴者の世界は苦しい。難聴は外から見えないし、わからないからである。視力障害者は外から見える。白い杖をついていたり、黒いサングラスをかけているだけで、他人はその人を思いやる。


・ベートーヴェンの難聴
ベートーヴェン(一七七〇年~一八二七)が二八歳の頃から難聴に気づき、人知れず悩んだことは、「ハイリゲンシュタットの遺書」(一八〇二年)で明らかである。この遺書を書いた後も、難聴は徐々に進行した。


・聴覚障害者のコミニケーションをメディア別に分けると次のようになる。

①聴能法ーーー聴能は聴覚を利用して言葉を獲得する能力である。補聴器で音をききとり、自分も声を出す(口語)。
②口話法ーーー口の動きを読み取り(読話)、自分でも声を出す(口語)。読話と口語の組み合わせを口話法と呼ぶ。
③文字法ーーー筆談である。(中略)
④手話
⑤右の①~④の組み合わせ


・三重苦のヘレン・ケラー女史は、「盲目であるのと聾であるのとどちらを選べばといわれたらどうしますか」と問われたとき、即座に「盲目の方選ぶ」と答えた。ところが、多くの人は、この重要な耳の機能を理解していない。あまりにも自然に、意識することなく、耳から入る音を聞きいているからであろう。


・難聴は見えないし、わからない


●書籍『耳科学~難聴に挑む』より
鈴木 淳一 (著)
小林 武夫 (著)
出版社: 中央公論新社 (2001年7月初版)
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