このウェブサイトにおけるページは、書籍『トップになりたきゃ、競争するな~なぜ、業界最後発企業が世界にとびだすまでに成長できたのか』(藤井 薫 著、こう書房 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・ビジネスの本質とは(中略)
①成長しつづける(中略)
②自らリスクをとる(中略)
③先に与える(中略)
④情熱を持てることに取り組む(中略)
⑤いまだ解決されていない、お客さまの問題を解決する(中略)
⑥心地よい状態を常につくり続ける(中略)
⑦今ある姿をあるべき姿に変えるプロセス(中略)
⑧ライバルとは絶対に競争しない(中略)
⑨お客さまを明確にする(中略)
⑩得たい結果を得るためには、先に犠牲を払う(中略)
・「現在のものが完成品である」とするのは妥協であり、怠慢であり、いつかとり残されるという意味での退化です。
・いくらエンジニアと言えど、自分一人では解決できないことがたくさんあります。そんなとき、私はすぐに専門家に会いに行き、意見を聞くようにしています。
・この頃の私は、看板となる製品を模索していました。(中略)
そんなとき、あるコンサルタントの方にお会いする機会がありました。会社の進むべき道について相談すると「藤井さん、あなたがもし、機械の製造・販売を続けるのであれば、地の利を利用しない手はないでしょう」とおっしゃいました。
「ここは讃岐うどんの本場。香川県でつくった機械なら、それだけで誰もが美味しいうどんと想像できますよ。そのイメージを利用しない手はありません。いちばん地の利のある製麺機に特化すべきです」
・時代とともに、麺の製法も変えなければ(中略)
「安全装置」にもこだわりました。製麺機を販売しはじめた頃は、製麺機のような工業製品は男性の職人が扱うのが慣例でした。しかし、私はパートの女性でも安心して使えるような、安全な機会をつくりたかったのです。
・どの会社も長年やってきた実績と、ある程度顧客もついているからと本質を見直す必要がなかったのかもしれません。(中略)
まわりはみんな、昼寝している。
・製麺機に必要なのは、誰しもが納得する美味しいうどんを作ること。しかし、私はそれだけではなく、この事業に「健康と安全の追求」というテーマも掲げていました。
・手打ちうどんの美味しさを再現することにおいて重要なポイントがある(中略)
小麦粉を分析する(中略)
よく、「グルテンが出るからコシがある」と言い方をする人がいますが、実はそれは間違いで、グルテンは硬さを出すのです。コシとは、「硬さ」と「粘り」が合わさったもの。つまり、美味しいうどんに必要なのは「硬さ」と「粘り」です。
・麺には2種類の食感があるということがわかりました。「モチ状食感」と「粒状食感」です。モチモチ、ネバネバしたのがモチ状食感で、口の中に入れるとパラパラ粒状になるのが粒状食感です。
・うどんづくりに最適な水とは(中略)
硬度0の軟水を使うと、ゆで時間は短く、煮崩れしにくく、歯切れのいいうどんに仕上がったのです。しかも、劣化速度はいちばん遅く、長持ちします。さらに研究を重ねた結果、練り水のpH(酸性やアルカリ性の程度を表す数値)は約5の弱酸性がいいということもわかりました。
・塩を探して(中略)
海水には、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムの4大ミネラルが含まれています。しかし、一般的に売られている塩の成分はナトリウムがほとんどでそのほかの成分は10分の1以下しか含まれていなかったのです。
・海水に含まれているミネラルが、うどんを美味しくしているのだ
・防腐剤を入れずに、麺を長持ちさせる(中略)
それまで世間一般では「うどん生地は鍛えれば鍛えるほど美味しいうどんになる」と言われていました。(中略)
生地に必要以上のストレスをかけてしまうと、麺生地の組織が破壊されてしまう。同時に、硬いだけでコシがなく、しかも腐敗しやすい麺ができてしまうということがわかりました。
・ 二段熟成の概念を取り入れる(中略)
こうして何カ月もかけて割り出した、麺にとって最適な熟成環境は、第一熟成28℃2時間または25℃3時間、第二熟成18℃16時間(一晩)または16℃32時間(二晩)でした。
・切断面の黄金比とは
・業界トップになれない理由(中略)
そうだ、私が「大和製作所は製麺機をつくる会社」と考えていたから、製麺機にしか頭が回らなかったのだ。私はもう一度、「本質」に立ち返ろうと思いました。
製麺機を買うお客さまは、本当は機会が欲しいのではない。欲しいのは、手打ちの技術や力がなくてもつくれるおいしい麺であり、だからこそ製麺機を購入するのだ。そして、お客さまが本当に願っているのは、製麺機そのものではなく、製麺機によってもたらされるお店の繁盛なのだ。(中略)
大和製作所のビジネスの本質は、うどんやラーメン、そばなどの店をはじめるお客さまやすでに開業している麺専門店の繁盛支援すること。だとしたら、当社の使命は「麺専門店繁盛支援会社」なのだ。
・「これからの時代、麺専門店繁盛支援会社である当社としては、製麺技術だけではなく経営や運営の分野に関してもノウハウを高め、開業希望者を指導する必要があるのではないか」と考えるようになっていきました。
・当社は「麺専門店繁盛支援会社」という使命を明確にしています。使命に沿わない人には、当社の機械は売るつもりはないのです。
・熱意ある、使命に沿った生徒さんだけにきてもらうには、どうしたらいいだろう。考えた結果、授業料を上げて、それくらい払っても開業ノウハウを身につけたいと思っている人だけに入学してもらうことにしました。
・普通のうどん店では、ざるうどんと釜揚げうどんのダシは共通で使っているところが多いのですが、厳密に言うと、温度帯によって味の感じ方は変わるのです。(中略)
釜揚げうどんは余計に辛くして、ざるうどんは甘くしなければならない。そのバランスが大切だったのです。
・値引きをすると一貫性が守れなくなる(中略)
強く値引き交渉をする人だけが、定価で購入するお客さまよりも安く購入できるというのは、当社の機械のユーザさま全員に対して失礼なことであるし、間違っていると思うのです。
・サービスエリアの店をトータルプロデュース(中略)
いつでも元気のいい声が聞ける場所にしたいと、厨房内の照明を明るくして、厨房を舞台に見立てました。厨房の中で働いてる人たちが役者という設定です。
・得意分野を伸ばす(中略)
社会へ出たら「平均点なんてクソくらえ」です。店で60〜80点レベルの商品ばかり並べておいても、お客さまは喜んでなどくれません。
・外食の経営コンサルタントの多くは、バカの一つ覚えのように(失礼)、FL比率(売上高に占める食材費と人件費の割合) 50%と唱えていますが、私はこの考えに反対です。むしろ、ある程度原価をかけてお客さまを満足させたほうが、最終的には利益は高くなるのだと考えます。
・[ビジネスの本質⑤]いまだ解決されていない、お客さまの問題を解決する
ずっと昔、夜の明かりはまだロウソクだけだった頃を思い描いてみてください。その時代の人々の願いは何だったかというと、「もっと明るいロウソクがあったらいいな」とか「もっと長く燃えているロウソクが欲しい」。決して誰も「電灯が欲しい」なんて思わなかったでしょう。そしてエジソンが電灯を発明したときにはじめて、「私が本当に欲しかったのはこれだ!」と気がついたことでしょう。
・お客さまがまだ気付いていない問題を先回りして解決するのがビジネスの基本です。
・他店と同じもの、普通のものをメニューにのせると値段で比較されます。だからこそ、誰もしていないこと、他店と比較されないことをしなければならないのです。
・ビジネスは、上質かお手軽か、いずれか一方をターゲットにしないと成功しない。ほとんどのビジネスが成功していないのは、欲張って上質とお手軽の両方を追い求めて、中途半端な不毛地帯にいるから
●書籍『トップになりたきゃ、競争するな~なぜ、業界最後発企業が世界にとびだすまでに成長できたのか』より
藤井 薫 (著)
出版社: こう書房 (2013年5月初版)
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