このウェブサイトにおけるページは、書籍『責任販売制とは何か』(西谷 能雄 著、未来社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・責任販売制と買切制は同義語か(中略)
買切制(私は注文制と表現する)とは、委託制とともに、出版界の二つの取引形態のうちの一つであって、主として新刊についてであり、三者間の取引のしくみである。(中略)
それに対して責任販売制度は、販売に重点があるのではなく、責任に意味があり、出版と流通と販売のすべてにかかわる、三者の取引関係で、取引形態、取引条件ともかかわる、責任の所在、精神のありようの問題であって、精神の緊張、契約思想が前提となるものである。
・責任販売制とは、生産・流通・販売に携わる全業界人の包括的姿勢であり、精神の問題であり、〈出版とは何か〉を考えることによって生まれるものであり、買切制とは取引のしくみに関する救済論であると括ることができるように思う。
・委託制とは新刊についてのみで、在庫品は原則としてすべて買切であるが、近ごろ注文品も新刊まもないものは〈委託の延長〉と解される傾向がある。(中略)
新刊・在庫品を問わず、すべて委託制と錯覚されがちであるが、間違いである。
●書籍『責任販売制とは何か』より
西谷 能雄 (にしたに よしお) (著)
出版社: 未来社 (1988年1月初版)
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