このウェブサイトにおけるページは、書籍『校正のくふう』(藤田 初巳 著、印刷学会出版部 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・芥川龍之介さんは本名の~助をきらって、~介と書きました。
・アメリカの新聞社では、初校者とは別の校正者が再校する。しかし、句よう点その他、様式上の問題に関するかぎり、再校者は初校者の方針に従って、いっさい手を触れないことになっているそうです。
・ひとりの校正者が3度繰りかえして読むより、ふたりの校正者がいちどずつ読む場合のほうが効果があがります。ひとりの校正者が繰りかえして読む場合には、いくど読んでも同じ盲点に陥りおちいりやすい。
・新潮社の創立者、佐藤義亮さんはむかし印刷所の校正者だっただけに、校正にやかましかったそうです。
・ゴシック体の場合、カタカナのヘ・リとひらがなのへ・りとはいっそうけじめがつきにくい。校正者は記憶のなかにとどめておいたほうがよいでしょう。
・たとえばここに十という文字がある。これがわれわれの目のレンズにはいって、視神経系を通り、大脳に達したとき、われわれは次のことを知覚します。
1. 線一および1を組み合わせた形。
2. 十という意味。
この場合、1を知覚する現象を生理的感応、2を知覚する現象を心理的感応とよびます。
・索引をつくることは読者の便宜のためと考えられているが、そればかりではない。副産物があります。用語の不統一、標準語-同義語関係の不明確、叙述の重出など、原稿や校正刷りを読んでいるときには気づかなかった原稿の欠点が、索引づくりによってはじめて明らかになることがしばしばあります。
●書籍『校正のくふう』より
藤田 初巳 (著)
出版社: 印刷学会出版部 (1966年2月初版)
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