このウェブサイトにおけるページは、書籍『その話し方では軽すぎます! エグゼクティブが鍛えている「人前で話す技法」』(矢野 香 著、すばる舎 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・両方の肩の高さが同じではなく、だらしなく一方に下がっていたり、猫背だったりする方も見かけます。このような頼りない印象なのに「私にお任せください」などというセリフを言ったところで、誰が信用してくれるでしょう。
・話し方に「加点方式」と「減点方式」があるとしたら、立場が上がれば上がるほど、減点方式で採用されていると心得てください。
・好印象を与える「三つの要因」
●「親しみやすさ」……話かけやすい、優しい、親切な、明るい、元気な、外交的な、面白い、など
●「活動性」……堂々とした、意欲的な、積極的な、鋭い、リーダーシップのある、強い、など
●「社会的望ましさ」……信頼できる、分別のある、きちんとした、誠実な、安心できる、知的な、大人っぽい、など
・「与えた印象」から逆算する(中略)
まず声に関わる「高さ」と「速さ」を変えることが、一番大きな変化を期待できるのです。
「親しみやすさ」を狙う人は、やや高めの声でゆっくりと話します。
「社会的望ましさ」の人は、反対に低めの声で、ゆっくりと話してください。
「活動性」の人は、やや高めの声で速めに話すように心がけてみてください。
・「手本になる人物」は徹底して真似る
上達のスピード、精度が上がる。
・「手本になる人物」は徹底して真似る(中略)
当時、『NHKニュース7』を担当していた森田美由紀アナウンサーでした。(中略)
声の高さ、話すスピード、どこで息継ぎをするか、どの言葉を強調するか。本物の森田アナの声と自分の声がぴったり重なるようになるまで、この練習を繰り返しました。
・話し方を改善する7つのポイント(中略)
〈「話す内容」を改善するポイント〉
①具体的に発言する
②事実と感情を分けて表現する
③言葉を正確に使う
〈「話す態度」を改善するポイント〉
④絶えず動かない
⑤言葉の語尾をきちんと下げる
〈「話す声」を改善するポイント〉
⑥舌の筋肉を鍛えて滑舌をよくする
⑦高めの声で話さない
・内容を正確にするポイントは三つです。まず「数字・固有名詞を示す」、次に「情報源を明らかにする」、そして最後に「推測は話さない」ことです。
・言葉を正確に使う(中略)
放送では「0」を一般的には「れい」と読むようにしています。理由は、「ゼロ」は英語、日本語では「れい」だからです。
・言葉を正確に使う(中略)
「早急」の読みは「さっきゅう」です。いえ、「さっきゅう」でした、と過去形で申し上げた方がよいかもしれません。時代とともに言葉は変化しています。
・読みやすい漢字とは? (中略)
私が原稿の読み間違いに気をつかっている言葉ベスト3は、「他人事」「一段落」「施策」です。(中略)
「ひとごと」「いちだんらく」「しさく」が正しい言葉です。
・相づちを打つときに「あー、はい、はい、はい」「なるほど、なるほど」というように同じ言葉を二回以上、繰り返していませんか。こうした同じ言葉の繰り返しも、軽い印象を与える要因となる悪癖です。
・初対面を制する「お辞儀」の決まり
◯ 無言でお辞儀、瞬きをせず挨拶
× お辞儀をしながら挨拶する
・マナーの世界では、名刺入れの上に名刺を置いて名刺交換をするのが一般的です。しかし、よく触りもしないで名刺入れにしまうのはもったいない。(中略)
あるとき、新しい名刺の打ち合わせの際、デザイナーの方が何百種類という名刺の紙のサンプルを見せてくれました。
「この紙は、政治家の先生がよく使っています」
「この紙は、経営者の方に多いです
「この紙は士業の先生方ですね」
と一つひとつの紙を触らしてくださいました。(中略)
エグゼクティブの名刺で、こだわるべきは紙質です。名刺を受け取った相手は、無意識のうちに、あなたの「重さ」を紙質ではかっているかもしれません。
・エグゼクティブになればなるほど、名刺のデザインはシンプルな気がします。紙質のよい名刺に、名前と会社名だけ。
・敬語は、使用しなすぎると横柄な感じを与えますが、過剰敬語で謙遜しすぎても慇懃無礼な感じを与えます。そこで、どの程度の敬語を使えばいいのか(中略)
「中立的な敬語」のポイントは、全体に敬語を使うのではなく、文末でのみ敬語を使うことです。
×「そちら様のご予定は、いかがでございますでしょうか?」
◯「そちらの予定は、いかがでございますか?」
・仕事場で帰り際、上司など目上の人に対してかける言葉として間違っているのはどれでしょう。
①「お疲れ様でした」
②「ご苦労様でした」
③どちらも間違い
正解は③のどちらも間違いです。なぜなら、「ねぎらい」という行為自体が「目上」から「目下」にするもので、「お疲れ様」でも「ご苦労様」でも間違いである、というのが伝統的な考え方なのです。
では、どう声をかければいいのでしょうか。(中略)
例えば、「お疲れ様」の代わりに、「明日もよろしくお願いします」「おかげさまで早く終わりました。お先に失礼します」はいかがでしょう。
・目上の人を「評価する」言葉は使用しない(中略)
「頑張ってください」や「なるほど」もこれにあたります。相手の発言に対して評価を下しているように感じられるからです。
「頑張ってください」は「期待しております」に言い換えた方が無難です。
「なるほど」はできるだけ使わないほうがいいのですが、目上の人に納得を示したいときに「なるほどですね」という言葉を使う方がいます。
・「たくさんの人」という表現の注意点(中略)
「たくさん」は数量が多いことを表す言葉で「物」にも「人」にも使います。一方、大勢は人だけに使う言葉です。(中略)
ちなみに「大勢の人」というと、これまた間違いになりますからご注意ください。「大勢」という言葉の中に、すでに「ひと」という意味まで含まれているからです。「頭痛が痛い」と同じような誤りになってしまうのです。
・眉を使って感情を表現する(中略)
眉を動かすタイミングは、「!」です。(中略)
「え! (眉が上がったまま)そんなことがあったんですか! (眉が上がったまま)」
これは、わざとらしい演技がかかった驚きの表情です。いうなれば「アイブローアップ」です。行為と興味を伝える自然なアイブローフラッシュにするために、一瞬上がった眉は戻すように注意してください。
「え! (眉が一瞬上がる→元に戻る)そんなことがあったんですか!」
このように動かすのです。
・予想外の事態でも、曖昧な発言はしない(中略)
×内心は焦りながら、「想定内のことです」
◯「予想外のご意見に、いま困惑してるところですが、現状を把握した上で、お返事させていただきます」
・視覚ノイズを消す(中略)
大事なところは手でジェスチャーをしたりして、聞き手の注意を引くわけです。しかし、手が絶えず動いていたら強調の意味はありません。ただのノイズです。(中略)
プレゼン会場などで、よくお見かけするのが、ポインターをグルグルと回す方です。スクリーンの上で赤い光の点が円を描き続けていると、それは揺れるピアスと同じノイズになりますのでご注意ください。
・「似合わない服」をあえて選ぶ理由とは?
場に馴染みすぎては印象に残らない(中略)
ファッションデザイナーは、ショーでモデルにドレスを着せる際、「モデルに似合う服は着せない」と聞いたことがあります。似合うドレスを着せて歩かせた場合、目立つのは、顔が小さくてスタイルの良いモデルの魅力です。
しかし、デザイナーが見てほしいのはドレスのほうなのです。
・慌てず、急がず、走らず(中略)
「本番直前に走ったら、慌てた声になるからだ」
走った後の息切れ、いつもより高めの声、浅い呼吸で話す話し方、全て内容を軽く受け止められてしまう原因となります。
・自己演出と聞くと、自分をよく見せようと飾り立てる行為を連想する方もいらっしゃるかもしれません。いいえ、違います。エグゼクティブの皆さまに求める自己演出とは、伝えたいメッセージをより明確に伝えるためのものです。それが余計な「虚構」をそぎ落とす作業です。
●書籍『その話し方では軽すぎます! エグゼクティブが鍛えている「人前で話す技法」』より
矢野 香 (著)
出版社: すばる舎 (2012年3月初版)
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