このウェブサイトにおけるページは、書籍『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』(江部 康二 著、ダイヤモンド社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・●つまめる脂肪=皮下脂肪
●つまめない脂肪=内臓脂肪
・私は京都にある高雄病院の理事長で、医師の江部康二と申します。1950年生まれの69歳です。身長167cm、体重57kgは、20代の頃と変わりありません。
身長は、歳をとっても縮んでいません。
歯は全部残っていて、虫歯も歯周病もありません。
視力もよく『広辞苑』の小さな文字も裸眼で読めます。
聴力の低下もありません。
毎日7時間睡眠で、夜中に尿意で目覚めることもありません。
定期的に飲んでいる薬もなければ、サプリメントとも無縁です。
コレステロール値も中性脂肪値も、基準値に収まっています。
いまも朝立ち(正式名:夜間陰茎勃起(いんけいぼっき現象)します。
朝立ちなんていうと下品に思われるかもしれませんが、動脈硬化、内臓疾患、うつ病などのバロメーターにもなりますから、バカにしてはいけません。
・当時は玄米魚菜食で、年1回は断食して、定期的に運動していたのに、私の体重はじわじわと増え続けていました。内臓脂肪がたまり、血圧や血糖値などの健康データは、年々悪化し続けたのです。
健康に気を遣っていたのに、なぜ不健康になっていったのでしょうか?
諸悪の根源は、糖質を日に何度もたくさん食べる“糖質の頻回・過剰摂取“にあったのです。
・「腹が減った」の正体は、ご飯やパン、麺類、イモ類など糖質をたくさん含むものを食べることにあるのです。
・私の1日2食の1週間(中略)
頻繁に通うのは、チェーン店『和食さと』。この店のしゃぶしゃぶ食べ放題が好物なのです。
・私の1日2食の1週間(中略)
たまに牛丼チェーン店『すき家』でご飯の代わりに豆腐を使った「牛丼ライト」を食べる夜もあります。
注文するとき、店員さんに「タレとポン酢をかけないでください」と頼んでおきます。タレもポン酢も、少なからず砂糖が入っているからです。
・私が愛用している糖質オフのポン酢は糖質を60%カットしています。(中略)
糖質オフの「とば屋の味つけポン酢」
・わが家では砂糖の代わりに、血糖値を上げない人口甘味料(発酵ブドウ糖)をエリスリトールから作られた『ラカントS』(サラヤ)というものを使っています。
・糖質が多いポタージュ、クリームスープは飲みません。
・頻繁に食べているのは、糖質制限食の通販サイト「糖質制限ドットコム)」(www.toushitsuseigen.com)のビーフシチューやハンバーグです。
・「肉の食べ過ぎは体に悪い」「肉は太りやすい」と信じている人も多いようですが、肉は糖質がほぼゼロで、なおかつたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルと栄養素の宝庫ですから、私は気にせずたくさん食べています。
・日本人は長い間1日2食が普通でした。佐伯栄養専門学校の星屋英治氏によれば、少なくとも江戸時代までは1日2食でした。贅沢な暮らしをしていると思われがちでも、貴族社会でも、1日2食が普通だったのです。
宮中における日々の行事などを記した後醍醐天皇撰の『日中行事』には、「朝の御膳(ごぜん)は午(うま)の刻(こく)なり。(中略)申(さる)の刻に御膳まいる」という記載があります。「朝食は牛の刻(正午)で、夕食は申の刻(午後4時)だった」ということです。
・「糖質」と「炭水化物」はどう違う? (中略)
「糖質」と「炭水化物」=よく混同されますが、公式すると明確になります。
糖質=炭水化物−食物繊維
・「脂質を摂ったら太る」というのは間違いです。摂ったら太るのは糖質なのです。くれぐれも、この点を誤解しないでください。
・日本で糖質制限食を広めた高雄病院では、1日あたり「糖質30~60g)がもっとも効果的な糖質制限食としていますが、本書では少し緩めて1日あたり「糖質100g」を前後目安としています。
・ヘルシーな印象があるかもしれませんが……
ドライフルーツ =果糖がたくさん!
ハチミツ、黒糖、和三盆=砂糖に他なりません
・たんぱく質は肉類、魚介類、卵、大豆・大豆食品など、脂質=バター、オリーブオイルなどから、しっかり摂りましょう。
・野菜のなかでも糖質が少ないのは、
●キャベツ、白菜、ホウレンソウ、小松菜、ケール、モロヘイヤなどの葉物野菜
●ブロッコリー、トマト、ピーマン、パプリカなども糖質が少なめ
野菜でも糖質が多めなのは、
●レンコン、ニンジン、ユリ根などの根菜
●カボチャ、ソラマメ
これらはあまり食べ過ぎないように注意しましょう。
・海藻類では例外的に昆布だけは乾燥重量100gで糖質約30gと多く含まれています。しゃぶしゃぶなどで昆布だしを取るために使うのは問題ありませんが、昆布巻き、松前漬けなど昆布そのものを食べるのは少量にしておきましょう。
・“うっかり食べ”に要注意! (中略)
もっとも多いのは、こんなふうにヘルシーなイメージにダマされてしまうケースです。
●「普通のそばは糖質が多いけれど、十割そばなら大丈夫」
●「塩味のせんべいやあられなら糖質が少ない」
●「砂糖はダメだけど、黒砂糖やハチミツならOK」
●「春雨は原料がジャガイモだと糖質は多いけれど、緑豆(りょくとう)が原料なら問題ない」
これらはすべて間違いです。どれも糖質の摂りすぎに直結します。
・黒砂糖、ハチミツ、和三盆、メープルシロップ、といった健康的なイメージのある甘味料も、その正体は糖質です。
・砂糖、ミリン、ソース、甘味噌など、糖質を多く含む調味料を使って調理すると、糖質の摂りすぎにつながります。
・お酒は飲んでいいの? (中略)
醸造酒でも「辛口ワイン」は例外です。赤も白もグラス1杯に「糖質1g」足らずですから、食事とともに1、2杯飲むくらいなら問題ありません。
OKなのは焼酎、ウイスキー、ジン、ラム、ウォッカといった蒸留酒です。これらは糖質ゼロです
・食物繊維の多い野菜から食べて血糖値の上昇を抑えようという「ベジファースト」が近頃ブームになっていますが、インスリンの分泌能力は欧米人より低い日本人の場合、その効果は少ないと考えられます。
・和食系はこう食べる(中略)
砂糖やミリンといった糖質をたくさん使った甘辛い味つけが多く、とくに煮物、照り焼きなどは糖質が多めです。
・和食系はこう食べる(中略)
魚系なら焼き魚定食、刺し身定食がおすすめです。甘辛い味噌煮、照り焼き、蒲焼、西京焼きは糖質が多めなので避けます。
肉系では豚肉の生姜焼き、肉豆腐、鶏肉の竜田揚げ、しゃぶしゃぶなどの定食は低糖質でおすすめです。(中略)肉じゃが、筑前煮、すき焼きは、糖質が多めなので控えましょう。
・糖質制限の広がりを受けて、「モスバーガー」にはバンズ(パン)の代わりにたっぷりのレタスでパティー(ハンバーグ)などの具材を挟んだハンバーガーがあります。
・汁物は味噌汁、ワカメスープ、卵スープ、コンソメスープなどがおすすめです。ファミレスのミネストローネ、オニオングラタンスープ、クラムチャウダー、コーンポタージュなどは糖質過多なのでパスしましょう。
・コンビニ惣菜を上手に組み合わせる(中略)
主菜に選びたいのは、鮭、サバ、ホッケなどの塩焼き。焼き魚は糖質がほぼゼロで、たんぱく質と脂質がきちんと摂れます。繰り返しますが西京焼き、味噌煮、煮つけは、糖質摂取が増えてしまいますからパスしましょう。
・「コンビニチキン」「コンビニおでん」は強い味方
・おでんは糖質制限の味方です。選び方によっては、おでんだけで1食分の献立ができます。
種ものでいちばんに選びたいのは、低糖質&高たんぱく質の卵、牛すじ、がんもどき、タコ、つみれ、厚揚げ、焼き豆腐など。これが主菜に相当します。
続いて選びたいのは、低糖質でタンパク質以外の栄養素となる大根、こんにゃく、しらたき、ロールキャベツなど。これは副菜に相当します。(中略)
ジャガイモ、餅入りの巾着、昆布(中略)はんぺん、ちくわ、さつま揚げ、ごぼう巻きも、糖質が多めなので避けます。
なかでも関東ローカルの「ちくわぶ」は、小麦粉を練ってゆででたものであり、1本で「糖質20g」近くにもなりますから要注意です。
・焼肉と中国料理はこう食べる
焼肉店も糖質制限がしやすいです。ロース、カルビ、タン、ハラミ、バラなど部位にかかわらず、牛肉も豚肉も糖質はほぼゼロです。
良質なたんぱく質と脂質を含んでいますから、満腹になるまで食べてください。ただし、「焼肉のタレ」は糖質が多めですから、「塩」「ゴマ油」をで味わいましょう。
・中国料理はこう食べる(中略)
糖質が少ない主菜は、キクラゲと卵の炒め物、棒棒鶏(バンバンジー)、八宝菜、青椒肉糸(チンジャオロースー)、回鍋肉(ホイウコウロー)、麻婆豆腐、レバニラ炒めなど。いずれも1食分(糖質10g)前後で済みます。(中略)
副菜では、青菜の塩炒め、中華風冷や奴、ピータン豆腐、汁物では酸っぱい中華スープの酸辣湯(サンラータン)や卵スープといったメニューも糖質が少なめです。
・脂質は摂っても太らない
・糖質制限で肥満が解消できるのは、“肥満ホルモン”とも呼ばれる「インスリン」の働きを抑えれるからです。インスリンは、糖質を摂るとすい臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。
・体脂肪の原料は脂質と思われがちで、脂質を含む食べ物を避けようとする人が多いのですが、このように体脂肪の原料は主に糖質なのです。
・糖質を摂っても、そのまま体脂肪にはならない
・レプチンは、ギリシャ語で「痩せる」という意味を持つ「レプトス」から名づけられたように、レプチンがつねに働いていれば、誰も太ったりしないはずなのです。
・とくに女性は45~55前後で閉経すると、内臓脂肪が増えやすくなります。女性ホルモンには皮下脂肪をためる働きがありますが、これは妊娠と出産に関わる骨盤内の臓器を守るためです。
・女性の場合、内臓脂肪は閉経期を迎えるまでは少しづつしか増えませんが、閉経後はそれ以前の2倍以上の速さで増えます。
・内臓脂肪は脂質制限ではなく糖質制限で減らす
・アメリカでは、この“脂質悪玉説”と“カロリー神話”にすっかり惑わされてしまい、食事中の脂質を減らす一大キャンペーンを実施しました。
全米あげての大キャンペーンで、1971年から2000年の30年間で1日の摂取カロリーに占める脂質の割合(エネルギー産生栄養素バランス= 以下「カロリー比」36.9%から32.8%へと4%以上も削減しました。
ところが「脂質を減らせば痩せる」という予想に反し、肥満率は14.5%から30.9%へと倍増してしまったのです(いずれも男性の場合、データ出典:『全米健康調査』)。
・「糖質は必須の栄養素だから糖質制限は危険」というのは明らかな間違いです。(中略)
必要な糖質(ブドウ糖)を体内で自ら作り出す糖新生という仕組みが備わっていますから、糖質制限をしても健康に悪影響はないのです。
・糖質制限を始めると血液中のケトン体濃度が高まるため、体から“甘酸っぱい臭い”発生することが時にあります。これはケトン臭と呼ばれています。(中略)
これも糖質制限を始めて3~6か月ほど経てば、アセトンが尿や吸気から排出されなくなるので、ケトン臭がなくなります。(中略)
ケトン臭を感じなくなったら、ケトン体をエネルギー源として本格的に利用できる体質に変わった証拠です。
・「肉の脂は体に悪い」というのも誤解です。(中略)
脳心血管疾患のリスクになるのは、糖質の過剰摂取とそれによる糖化・酸化です。
・「卵は1日1個まで。2個以上食べるとコレステロール値が高くなって危険」と長年言われてきました。しかし、これは根本的に間違っています。食事から摂ったコレステロールは、血液中のコレステロール値に影響を与えたことがわかっているのです。
・卵は糖質がほぼゼロであり、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなど栄養素をバランスよく含んでいる「完全栄養食品』です。卵が好きなら、2個でも3個でも食べてください。
・果物は害になる(中略)
ヘルシーなイメージが強いですが、実のところそうでもありません。糖質がたくさん含まれていて血糖値を上げるからです。(中略)
果物に含まれるのは果糖、ブドウ糖、ショ糖など。このうち要注意なのは、果物の甘みの元である果糖です。
・果物は太りやすい(中略)
果糖は小腸から吸収されると肝臓に直行し、そこで速やかに「中性脂肪』として蓄積されるので、血糖値があまり上昇しない代わりに太りやすいのです。
・より注意が必要なのは、ヘルシーなイメージのある果汁100%の果物ジュースです。(中略)
厚生労働省も「果汁100%のジュースは食物繊維が期待できず、糖分も多いので注意が必要です」としています。
・飲料の「果糖ブドウ糖液糖」は猛毒(中略)
ブドウ糖果糖液糖は、ブドウ糖が多いので「血糖値の急上昇」「インスリンの大量分泌」を招き、血管と膵臓を傷めつけます。どちらも猛毒といえるでしょう。
・脂肪肝というと昔から“大酒のみ”がなるものとして知られていますが、お酒を飲まない人でも脂肪肝になることがあります。この非アルコール性脂肪肝は、単に肝臓で脂肪を蓄積するだけでなく、炎症を起こすこともあります。
これを非アルコール性脂肪肝炎(NASH ナッシュ)といいますが、このNASHの一因が“果糖の摂りすぎ”なのです。
・糖質制限の味方になってくれるのが、血糖値を上げない人工甘味料です。「人口」とつくと不安に感じる人は多いようですが、大丈夫です。(中略)
・人工的に生成された「白砂糖」は体に悪いけれど、「黒砂糖」「ハチミツ」は天然だから体にいい。そう信じている人は案外多いのですが、黒砂糖もハチミツも白砂糖と同じように血糖値を上げる悪玉に変わりありません。
食品の栄養成分表示で見かける「アスパルテーム」「アセスルファムK」「スクラロース」などの人工甘味料では、血糖値を上昇させませんから、黒砂糖やハチミツよりも安全です。
・エリスリトールは安全性が十分に高いので1日摂取を容量を定める必要がない
・エリスリトールは私も砂糖の代わりに愛用している『ラカントS』(32ページ参照)の主成分です。
・「逆流性食道炎」は糖質制限で治る(中略)
逆流性食道炎の症状を訴える患者さんの大半が、糖質制限を始めた瞬間からリアルタイムで症状が軽くなります。
・テニス(中略)大坂なおみ選手(中略)ノバク・ジェコビッチ選手(中略)
大坂選手とジェコビッチ選手には共通点があります。2人とも糖質制限をしているのです。
・彼の著書『ジョコビッチの生まれ変わる食事』(三五館 刊)に載っていた夕食メニューを、高雄病院の管理栄養士が計算したところ、ざっと「糖質15~35g」でした。
・運動のメインのエネルギー源は糖質ではなく、脂質(脂肪酸とケトン体)なのです。(中略)
ただし、重いダンベルを一気に上げるような高強度の筋トレや100mの全力疾走のような瞬発的な運動では、筋肉に貯蔵した糖質(ブドウ糖)がメインのエネルギー源となるため、糖質制限によるパフォーマンス向上は残念ながら期待できないと考えられます。
・「熱中症予防にスポーツドリンク」は間違い(中略)
脱水予防に水分補給するなら、実のところ水(ミネラルウォーター)で充分です。スポーツや野外労働などで大量に汗をかかないのなら不要であり、水分補給だけで足りるのです。(中略)
大量の汗をかいたときは、1ℓの水に1~2gの食塩を入れる割合で水分補強するといいです。
・糖質の摂りすぎで内臓脂肪がたまると、内臓脂肪から血圧を上げる悪玉ホルモンが分泌されるようになります(中略)
一方で、糖質を摂ると追加分泌されるインスリンは、緊張したときなどに高まる交感神経を活性化させて血管を縮めるので、血圧が上がりやすくなります。
・糖質とともに塩分を制限してしまうと、体内の塩分が不足することがあります。だるくなったり、ぼっーっとしたり、頭が重たい、痛いといった自覚症状がある場合、塩分不足の恐れがあるのです。
・聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生(中略)は、基本的に1日130g未満の糖質制限をしていました。糖質からの摂取エネルギー比率は、約27%と低かったのです。
・赤ワインは醸造酒のなかでは糖質が少ないお酒ですから、1、2杯楽しむ分には問題ありません。緑茶とコーヒー(ブラック)も、糖質がごく少量の飲料です。
・イヌイットの食生活の変化(中略)
欧米人の毛皮の交易が始まり、それによって小麦を手に入れて「無発酵パン」が広まったのです。イヌイットが長年、口にしなかった糖質を、ついに食べ始めたわけです。(中略)
1855年
たんぱく質 47.1%
糖質 7.4%
脂質 45.5%
1976年
たんぱく質 23%
糖質 38%
脂質 39%
およそ120年間で糖質の摂取比率が5倍に急上昇して、がんが増えた!
・骨粗しょう症は、避けられない老化現象だと諦めている人もいます。でも、それは大きな間違いです。
骨粗しょう症は病的な老化であって、予防できる病気です。そして骨粗しょう症もまた糖質過多の食生活がもたらす“糖質病“なのです。
骨粗しょう症と聞いて、真っ先に頭に浮かぶのは、“カルシウム不足”かもしれません。骨のおもな成分になっているのは、カルシウムを始めとするミネラルです。カルシウムの吸収を促すにはビタミンDも欠かせません。
カルシウム不足に加えて、骨粗しょう症の原因としてクローズアップされているのが、糖質過多によるAGEsです。
●書籍『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』より
江部 康二 (著)
出版社: ダイヤモンド社 (2019年5月初版)
※amazonで詳細を見る
Copyright (C) 2003-2024 eパートナー All rights reserved.