このウェブサイトにおけるページは、書籍『期待以上に部下が育つ高速会議』(沖本 るり子 著、かんき出版 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・育成に手間と時間をかける余裕のない企業も増えています。(中略)
労働力不足も加わり、目の前の仕事をこなすのに精いっぱいで人の育成にまで手が回らない、というのが正直なところでしょう。(中略)
そこで提案したいのが、「会議を人材育成の場と捉え、最大限活用する方法」です。
・何より自分たちで決めることで、日々の仕事が「させられるもの」から「するもの」に変わっていきました。
・人が育たないため会議8パターン
人が育たない会議① いつも同じ人が仕切る 34
人が育たない会議② 時間はいっぱい・成果はちょっぴり 37
人が育たない会議③ あの人ばっかり吠えている 40
人が育たない会議④ 議題からかけ離れ、会議ジプシーに 42
人が育たない会議⑤ しーん……沈黙が続き意見が出ない 45
人が育たない会議⑥ 個人の役に立たない 48
人が育たない会議⑦ 上司の顔色をうかがわなくてはならない 50
人が育たない会議⑧ 結論ありきの出来レース 53
・今の時代のビジネスパーソンは、業務に追われてスキルアップのために時間を割くことができません。それは上司や先輩が、若手社員の指導に充分に当たれないことも影響しています。ならば上司も先輩も同僚も、みんなが一遍に顔を合わせる会議の場で育成を図ればよいのです。
・5分会議の最大の特徴は「構成」です。大きな会議の枠組みの中で、いくつもの小さな会議(ミニ会議)を繰り返し回していきます。
・決議は得点制(→P116)
どのアイディアを採用するかは、得点で決める。参加者はすべての案に特典をつけて付箋で投票。どのアイデアにも必ず得点が入るので、意見を否定することがない。
・工夫③「参加者全員」で必ず意見が出る(中略)
「A案のいいところ出し会議」なら、A案のいいところを全員が順番に発言します。A案への支持・不支持は関係ありません。内容の優劣も関係なし。全員がどうにかして意見をひねり出します。
・工夫④「立場」が関係なくなる(中略)
メモ係は発言者の名前を書きません。「誰が言ったか」は関係ないからです。
・充実した議論には、ある程度の時間が必要かもしれません。けれども時間さえあればよいという話でもないはずです。
・人が育たない会議③ あの人ばっかり吠えている(中略)
気づけば発言しているのは、主催者と主催者の意見に反発する2人だけ、と言いうことはないでしょうか。(中略)
意見する人が偏ることは、発想やアイデアに偏りが生じるいうこと。会議自体もマンネリ化し、参加者のモチベーションは下がる一方で、次第に“考える”ということすら放棄してしまいかねません。
・会議中に沈黙が続く……。(中略)
そうなる要因として考えられるのは、主に次の2つです。
その① 「言うだけ損」になるパターン
その② 意見が会議に反映されないパターン
・ちょっとでもインパクトのある案を出すと、「じゃお前がやれ」。これでは発言するだけ損な立場になり、提案する気も起きません。
・新しくやることが決まったときに「仕事がふえた……」と負担に感じるのは、その人自身の仕事に対する動機が十分ではない、あるいは周りの助けを期待できないといった組織の課題が潜んでいます。
・意見の評価には人の偏りがつきもの(中略)相手が上司となると、社員たちも気を遣うもの。とくに反対意見は、述べたときに自分に降りかかるリスクを考えると、なかなか言い出しにくいものです。
・会議中の意見の対立は人間関係の悪化を招く可能性もはらんでいます。(中略)本当にその状態で会議の目的は達成されるのか(中略)
会議で検討すべきは意見の内容であって、発言者によって左右される性質のものではありません。
・足の引っ張り合いに、けなし合いの応酬では、まとまるはずの意見もまとまりません。現状をよりよくする観点での、純粋な議論ができなくなってしまう(中略)
会議に評価を持ち込むことは、百害あって一利なし
・つまり会社には、「とりあえず集まろう」という考え方が蔓延している(中略)なぜ会議をやるのかという会議の「目的」と、会議を終えた段階でどういう状態にありたいかという「目標」。この2つを明確に設定できれば会議を開く意味があるといえます。
・事前準備③
案内状の出来が参加者の主体性を左右する(中略)
タイトルからどんな会議なのかを推測していました。内容がわからないと準備もできず、できることが、当日会議室に時間通りに向かうことくらい。
・事前準備③
案内状の出来が参加者の主体性を左右する(中略)
案内状に盛り込む項目
□議題
□会議の目的
□会議の目標
□開催日・開始時刻・終了時刻
□開催場所
□参加者
□当日のプログラム(ミニ会議の項目、および全体の進行と時間表)
・会議の成功はテーブルの配置で決まる(中略)
一般的な長テーブルを2台、向かい合わせにくっつけるとちょうどよい大きさです。5分会議の適正人数は1チーム当たり5人程度となります。
・5分会議では、参加者全員が意見を出し議論することを、もっとも重視しています。会議中、一言も発しなかったという人はいません。そういう人を出さないように、場をつくっていけばいいのです。
・テーブルの上に必要なもの
□ホワイドボード・・・ミニ会議が行われる回数に応じて用意(基本の「アイデア出し会議」→「アイデアのいいところ出し会議」→「アイデアの問題点出し会議」→「問題点出しの対策出し会議」なら最低4枚)
□ホワイドボード用マーカー
□キッチンタイマー・・・2個
□付箋(短冊形のもの。できる限り色を揃える)
※ほかに飲み物や、脳に糖質補給できるようにクッキーやチョコレートなどを用意するのも有効です。
・名札をつくるのは、「自分が会議に参加する」という自覚を促す儀式(中略)名前にはふりがなを忘れずに書くようにします。名札は同じテーブルの人たちに、自分の名前を知ってもらうためになります。(中略)
たとえば「中田さん」がなかたさんなのか、なかださんのか。
・全体進行役の人はキッチンタイマーで時間を計ること。制限時間は一人1分程度が目安です。さらにキッチンタイーマーが鳴り出したら全員で思いきり拍手をし、話し手は途中であっても話を切り上げるのがルールです。
・つまり議論を進める前に議題や定義を示し、方向性を揃える作業が必要だということです。
・5分会議を研修で行うと、中盤以降で特徴的な光景を目にします。最初は椅子に座っていた参加者たちが次第に席を立ち、前のめりに立ったまま議論していくのです。輪番制でいろいろなかかりを担当すると、能動的に関わることの重要性に気づきます。
・問題定義会議
社内で起きた問題をどう解決するかを考える会議。大きく「問題会議」と「解決会議」に分けて進行します。
・会議では「単語」で話すに尽きます。長い文章ではなく、短いフレーズにまとめるのです、理由を説明する必要もありません。
・5分会議では極力単語で話すことがルールですから、人の発言もメモしやすいはず。まとめられない場合は、「ここに何と書きますか?」と、発言者に聞いてください。本人に話が長すぎることを気づかえるのも、メモ係の大事な役割です。
・5分会議では、会議にメモのためのノートや手帳を持ち込むのは禁止です。また、パソコンを開くこともNGです。
理由は二つあります。
一つは会議に集中してもらいたいため。(中略)そしてもう一つは、認識の相違を生まないようにするためです。メモというのは、個人差が生まれやすいものです。
・議事録は会議の直後だけでなく、企画に行き詰まったときや急なトラブルが起こったときなどにも見返すのをおすすめします。
・自分の思い込みや偏見を排して、相手の話をそのまま受け止めることは、意外と難しいことなのです。
・何が売りたいのか伝わらないセールスの悲劇(中略)
彼らの共通点は、とにかく、「あれもこれも説明しないといけない」と思い込んでいることです。
・要約に主観が入るとき、それは解釈に齟齬が生まれる瞬間です。(中略)
思い込みを排して簡潔にまとめる要約力は、仕事に必須の力です。(中略)このときに主観を交えず、話し手の言葉を「そのまま」書くことをぜひ意識してください。
・巻き込みの難しい時代(中略)
巻き込みが、なかなかうまくできないと悩む企業が多いのです。その理由の一つに、それぞれの仕事が複雑化かつ細分化され、他の部署の仕事を知る機会が減ってきていることが挙げられます。縦割り組織などはその典型といえるでしょう。
・会議では物流と営業が対立する(中略)
私が話を聞いてとくに印象的だったのは、「時間外出荷」という名前をやめようというアイディアです。言葉から受けるマイナスの印象をまず取り除き、顧客視点を取り入れることで、働く人の意識を変えようというのです。結果新しい名称は、取引先のニーズを応え喜んでもらうために「お客様貢献出荷」となりました。
・「批判と対案はトレードオフ」の考え方自体が、実はとても危ういことなのです。
対案がなくたって、元の案に問題点があると気づいたならば、そのまま指摘すればいいのです。それがトラブルを未然に防ぐことにつながります。
・一人会議にも5分会議を取り入れよう(中略)
何かを決める際にも活用できます。(中略)それぞれの「いいところ」「問題点」「問題点への対策案」を順に挙げていきましょう。(中略)
良し悪しの判断が何となく曖昧だったものが、視点を分解することにより明確になり、確信を持って選べるようになりますよ。
・できない理由を探さない(中略)
「〇〇だからできないのだ」と理由を重ねて諦めてしまっては何も進展しない。「どうすればできるか」を考え抜く積極的な姿勢に徹することが、素晴らしいアイデアを生み、物事を動かす原動力となる
・会議を通じた人材育成がテーマでした。
・何歳になっても人は変われる
・視点を分解し、多面的に物事を見ると、物事の捉え方が変わります。昨日までの同じ景色が、全く違ったものに映るようになるのです。ネガティブに受け止めていたことが、「こういう見方もあるのか」と冷静に受け止められるようになります。
考察に多面的な面が加わると、言動が変わります。感情と行動を切り分けることができますし、具体的に話を聞けるようになります。課題の本質を突き止め、改善や解決に向け大きな一歩を踏み出せます。
●書籍『期待以上に部下が育つ高速会議』より
沖本 るり子 (著)
出版社: かんき出版 (2020年2月初版)
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