このウェブサイトにおけるページは、書籍『あなたもアナウンサーになれる! ~テレビ局アナウンス採用のすべて』(鎌田 正明 著、講談社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・じつはどこのテレビ局も、ある程度「形ができた人」しか採用しないのです。テレビ局のアナウンス講習を「先取りにして練習しておく」ことは、入社試験をクリアするための、必要にして十分な対策になります。
・よく通る声を出すための呼吸法(中略)いわゆる「腹式呼吸」です。
・文章を読む場合、息継ぎは意味のまとまりの間にはさむのが鉄則です。意味に関係なく、自分の都合で息継ぎをしてしまいますと、聞き手には話しの内容がわかりにくくなってしまうのです。
・ガ行の音で使われる鼻濁音(びだくおん)は、アナウンサーの就職試験を受験する際、音声テストで必ずチェックされる重要項目です。
・アナウンサーの音声試験は、加点法ではなく減点法で行われるため、鼻濁音は何がなんでも習得しなければなりません。
・「無声化」の法則
これも、アナウンサーの音声試験で必ずチェックされる項目です。サ行や、カ行、ハ行の音でよく使われるテクニックです。(中略)
「シクラメン」と発声する場合、シは実際には「シの音」そのままでは発声していません。まわりの人に静かにしてほしいとき、口に指をあてて「シー」と言いますね。口先で空気がこすれるような頼りない音になります。「シクラメン」の「シ」も同じです。これが無声音です。
・標準語のアクセントには四つのパターンがあります。
●最初だけ低くて後は高くなる平板型:森、桜など
●最初を高くする頭高型:テレビ、ラーメンなど
●真ん中を高くする中高型:卵、のこぎりなど
●最後を高くする尾高型:海苔、話など
・アクセント(中略)
たとえば、橋と箸、柿と牡蠣、雨と飴などは、アクセントを間違うと、話の意味が通じなくなってしまいますので、自信がもてなければ、こまめに辞典をチェックしましょう。
・「標準語」は、東京弁とは似て非なるものです。(中略)
「かたす(片づける)」「あるってく(歩いて行く)」「こさえる(作る)」「まっつぐ(まっすぐ)」「読みづらい(読みにくい)」などは東京の方言であって標準語ではありませんから、注意が必要です。
・試しに、NHKの夜七時のニュースを聞いてみてください。アナウンサーは、必ず高い音で読み始め、末尾の述語は低音でおさまりをつけています。(中略)
「高い音から低い音への変化」が最も安定して聞きやすいからです。
・きちんと落ち着いたしゃべり方をしたければ、やはりNHKです。午後七時のニュースのアナウンサーはほぼ完璧なお手本となります。
・NHKのアナウンサーは、生涯、アクセント辞典を手放しません。
・話を組み立てる順序としては、
① 最初に言いたいことを趣旨を明確にする。
② その後で、裏付けとなる理由を中心に、いくつかのエピソードで肉付けする。
③ 最後に結論として、冒頭の趣旨を繰り返せばきれいに終われる。
・あがってしまう原因は「自意識過剰」と「余計な想像」です。他人が自分の話の出来事を笑うのではないかという思い込みと、まだ何もしていないのに最悪の事態を考えてしまう心配性。(中略)
「まあ、こんなものさ」という達観に意識を振っていくしかありません。
・「話し始め」が肝心(中略)
第一声の「声の震え」を封じ込めるためには、深呼吸やあくびをして、新鮮な空気を体に取り入れて頭をすっきりさせましょう。緊張して体が固まっていても、口を大きく開いて空気を吸い込もうとすると、自然にあくびが出てきます。こわばった口を思いきって大きく動かして、顔の体操をすることも効果があります。
・インタビューテクニック~話を引き出す技術(中略)
相手の本音を引き出すためには、たとえば事件の取材なら、相手の立場に「共感する姿勢」を前に出して話しかけます。
「とんでもないことになってしまいましたね」
「お体は大丈夫でしたか?」
「びっくりされたでしょう」
・会話における目線の配分(中略)
相手がしゃべっているときには、相手の口元を見つめます。これは、「報道取材でインタビューするときのテクニック」です。人は、自分の口元を見つけられていると、何かしゃべらなければいけない気持ちにさせられます。
・相づちにはどんな表現があるのでしょうか。
はい/はあ・・・・・・/ええ/へー/ほう/ふーん/ふむふむ/なるほど/ああそう/それで?/まあね/そりゃそうです/おっしゃる通り/ウソ!/ホントに?/すばらしい/素敵です/いいなあそれ/いやはや何とも・・・・・・/まあまあ/何ともはや・・・・・・/そりゃ大変だ/どうかなか・・・・・・/それそれ/マジ? などなど。
こうした多種類の表現を使い分けることで、話の流れにはずみがついて、上手に相手から話を引き出すことができます。
・アナウンサーの間違いには、おおむね二通りあるようです。よく知らないのに見栄を張って間違ったことを言ってしまう「無知のミス」と、知っているつもりで実は勘違いしている「うっかりミス」です。
・日本語は生き物(中略)
日常的に使われるに言葉は、時代が進むにつれて変化していってしまうということです。(中略)
「このキノコは食べられる」が正しいですが、多くの人が、「このキノコは食べれる」と言い、民法のアナウンサーの中にも、「れる」で済ませてしまう人が現れています。
・「八方美人」になろう(中略)
アナウンサーは常にその場を仕切る立場ですから、無理にでも仏様のような所作が要求されるのです。じつは、これで失敗してキャリアを棒に振ってしまったアナウンサーは枚挙にいとまがないのです。
・自分で「話を作る」場面もある(中略)
何とか沈黙せずにすんだのは、報道番組に出るようになってから、普段、街を歩いているときにも「今すぐこの状況で一分間レポートする」という命題を自分に課して、「話を作る」トレーニングを続けていたからでしょう。
・「決め顔」を忘れない(中略)
タレントや俳優は、カメラの前では常に同じ笑顔を見せています。しかし、プライベートでは、たいへん険しい、あるいはぽかんとした顔をしていることも多く、これが本当に同じ人物なのかと驚かされるほどです。その使い分けは見事なほど
・アナウンサーの立場は旅客機でいえば機長のようなものです。窮地に陥っても不安そうな表情はタブーです。無理にでも笑顔を浮かべて、嘘でも肝っ玉が据わっているように見せる、見かけ上の演出をするべきです。
・アナウンサー試験のプロセスは、局によっていくらかは差はありますが、最もシンプルなプロセスだと次のようになります。
①一次面接→②音声テスト→③二次面接→④学科試験→⑤カメラテスト→⑥役員面接
・アナウンサーは基本的にサービス業なので、「自分をカッコよくきれいに見せる」と同時に、「他人にいかにサービスできるか」が問われるという二面性があることを忘れてはなりません。
・カメラテストのフリートーク(中略)先輩たちが見たいのは、「カメラの前であなたが平常心で振る舞えるかどうか」です。
●書籍『あなたもアナウンサーになれる! ~テレビ局アナウンス採用のすべて』より
鎌田 正明 (著)
出版社: 講談社 (2011年10月初版)
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