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書籍『情熱商人~ドン・キホーテ創業者の革命的小売経営論』(安田 隆夫 著、月泉 博 著、商業界 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『情熱商人~ドン・キホーテ創業者の革命的小売経営論』(安田 隆夫 著、月泉 博 著、商業界 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・ドン・キホーテ(中略)同社は23期連続で増収営業増益の記録を更新中である


・ドンキの源流(中略)その気迫を込めた店の心情は、唯一「お客さまが好きか嫌いか」


・苦肉の策が「ナイトマーケットの発見と深夜営業」「圧縮陳列」「手書きPOPの洪水」という、今でもドン・キホーテを支える3大手法である。


・同社最大級の成功ノウハウとなる「権限移譲」(中略)すなわち自ら考え、判断し、行動する「体験環境」を用意し、何よりも彼らに“頭脳と創造性”を持たせようとした。今でもこれが同社の人材育成における基本方針である。


・ドンキ最大の魅力と武器とは? (中略)

ドン・キホーテのストアコンセプトは「CV+D+A」と表現される。これは、CV(コンビニエンス=より便利に)、D(ディスカウント=より安く)、A(アミューズメント=より楽しく)の略だ。


・ドン・キホーテの標準店では、500~600坪の売り場の中に、トイレットペーパーからスーパーブランドまで、約5万アイテムの商品が品揃えされているが、それらはこの7事業部によるものだ。

言い方を換えれば、ドン・キホーテでは一つの店に7つの会社(事業部)が、それぞれテナント出店するようにして成立している。


・仕事のゲーム化(中略)

これが(成功の)決め手になったと思っている。

●最大限のルール(ルールが多くて複雑なゲームは分かりにくくて面白くない)
●大幅な自由裁量権(周りから口を出されるゲームほどやる気が失せるものはない)
●明確な勝敗基準(勝ち負けがはっきりしないゲームはゲームではない)
●タイムリミット(必ず一定の時間内に終わらなければそもそもゲームにならない)


・私は売り場の責任者に「商品の欠点もちゃんと表示せよ」と指示している。価格と機能、付加価値において、すべて良いことずくめの商品などあり得ないのだから、POPには「長所だけではなく短所も書け」と。


・日本で流通する鮮魚の7割以上は冷凍物で、近海物の鮮魚はごく一部の市場に出回るだけである。ならば、鮮魚という商品の実態は冷凍食品ということになる。要はアイスクリームと一緒だ。そう捉えれば、当社なりの独自のやりようがいろいろと出てくる。


・新規客の多くは「バーゲンハンター」だ。セールが終わればすぐ逃げていくから安定した収益につながらない。それに対し、既存客を維持するコストは新規客確保の5分の1で済むという報告もあるそうだ。


・お客さまにとって真に有用かつ購買心をそそられる販売促進策とはいかなるものだろうか。それは、顧客目線による情報発信と話題づくりである。たとえばスイーツ(甘味商品)なら、10人くらいのお客さまからなる甘党委員会をつくって、「ブランドテストをやったらこれが1位になりました」と情報発信をすれば、スイーツ好きのお客さまはその商品に飛びつくだろう。


・経営理念(中略)

第二条 いつの時代も、ワクワク・ドキドキする、驚安商品がある買い場を構築する


・次世代リーダーの心得 十二箇条

ドン・キホーテに「監督」は必要ない(中略)
使いたくない権限を使いこなすのが、真の「責任者」である(中略)
権限移譲の本質は「狭くて深い」(中略)
「明確な勝敗」「タイムリミット」「最小限のルール」「大幅な自由裁量権」(中略)
自分の権限を自身で剥奪し、部下に与える(中略)
ポジティブ、ネガティブ、どちらであっても誠意を持って公正に評価する(中略)
部下は「育成されたい」などと思っていない「信頼されたい」と思っている(中略)
「誉める」とは、その人がひそかに誇りをもっていることを見つけ、こちらから認めることである(中略)
「ムチとアメ」(中略)最初は厳しく接し、その後に良い所を見つけ、認めることで、本当の信頼関係が生まれる。
「理想の部下」が必ずしも「理想の上司」になれるわけではない(中略)
部下は、その上司の部下ではなく、会社の資産である(中略)
人の気持ちをわからない人が、人に強くなれるわけがない


・一見、経済合理性のないような品揃えを平気で行う。アパレル部門では、売上の3割近くがコスプレ衣料だ。


・今、人々が求めているのは“祭り”だ! (中略)

閉塞感からの解放が、流通小売業最大のビジネスチャンスになる。特に今、人々が渇望しているのは“祭り”だ。祭りの非日常感と祝祭感に浸ることで、束の間の喜びと幸せを味わおうとする。


・なぜ「売り場」を「買い場」と呼ぶのか? (中略)「売ろうという場ではなく、(お客が)買おうとする場」を端的に表している。(中略)

自分がお客ならこれを買うというお勧め商品を集め、的確に編集している場である。少なくとも、「とにかく何でも置いておこう」式の総花的な品揃えの場を、ドン・キホーテでは決して買い場と呼ばない。


・当社における最大の権限移譲とは、商品の仕入・品揃えを全面的に現場社員に任せることにほかならない。


・優秀仕入担当者の鉄則十箇条

一、商品知識と感性を、顧客の立場に立って常に磨く事
一、売れ筋のベスト一〇を常に念頭において仕入をする事
一、一カ月以内に販売できる数量を、価格との相関関係を念頭において的確に判断できる事
一、データを機敏に利用できる事
一、情報の収集に積極的である事
一、売り込みに対して速やかに回答する事
一、過剰仕入を常に戒め、予算枠を超えないようにする事
一、商談を短時間で効率よく終了できる事
一、脇役商品を価格や演出で主役商品に転換できる、柔軟な発想をもっている事
一、仕入先に誠意をこめたお願いができる事


・果敢なチャレンジと迅速な撤退(中略)

(新業態や新規事業が)ダメだと判断したら、傷の浅いうちにさっと引かねばならない。経営者にとって、実査にはこれが、「言うは易(やす)し、行うは難(かた)し」の典型


・勝つ企業は「AND」を目指して悩み続ける(中略)

結局、ビジネスというのは二者択一とかではなく、常に「こちらも立て、あちらも立てる」という「AND」でなければ成功しないからだ。


・そもそも権限移譲にしても、究極的には自分でやるのが面倒だったからできたわけで、一方、権限移譲された者は「私はこれがやりたかったんです」と喜々として仕事をしていた。そういう意味では、結果的にお互いハッピーな関係になれたわけだ。


・失敗から学ぶべきは、われわれは決してお客さまを変えることはできないということ。少なくとも、いいい商品をつくってお客さまの志向を変えてやろうなどというのは思い上がった考えだ。逆である。


・人は育てるものではなく、自ら育つもの(中略)したがって「育てる」より、まずは人を「信じて頼む」こと。すなわち当社が最も重視するキーワードは「育成」ではなく「信頼」である。


・「企業のプロフィットセンターは現場であり、本部はそれを支えるサポートセンターに徹するべき」という原理原則にある。


●書籍『情熱商人~ドン・キホーテ創業者の革命的小売経営論』より
安田 隆夫 (著)
月泉 博 (著)
出版社: 商業界 (2013年4月初版)
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