このウェブサイトにおけるページは、書籍『なぜアマゾンは1円で本が売れるのか~ネット時代のメディア戦争』(武田 徹 著、新潮社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・千年という時の単位を取ってみれば『価値のないものは残らない』と確実に言える」「しかし『価値のあるものは確実に残る』とも限らない。・・・・・・」(中略)
書物の運命
・ジュンク堂書店(中略)池袋本店も2000坪と大型店の標準だった500坪を遥かに凌駕する広大な床面積に、平台を置かずに書架を縦に並べて、とにかく扱い点数を多くした。加えてオープンカフェの設置や読書用の椅子を店内に設置するなど書店の常識破りにも挑戦してきた。
・中川清貴(中略)丸善CHIホールディングス社長を務める。(中略)
「書店の人たちと話すとき僕は書店を科学したいとよく言いますね。本をどう置くか、どんな人にお店に来てもらうか、来てくれていない人をいかにお呼びするか・・・・・・。科学的に考える余地がまだまだあると思う」と中川は言う。
・なぜ1円で売れるのか。アマゾンのマーケットプレイスで本を売る業者に対してアマゾンは配送料として本1冊に対して257円を払う設定をしている(日本国内の場合)。しかし実際には成約すると成約料として本の場合はそこに1冊につき60円(プロマーチャント契約をしていない小口出品業者の場合はこれに基本成約料100円が上乗せされる)と手数料として販売価格の15%が引かれるので1円で売って約98~198円の収入となる。業者が実際に支払う送料と仕入れ価格の合計がこれ以下であればかろうじて儲けが出るが微妙なところだろう。
・電子でも紙でも買う人々(中略)
注目すべきは顧客単価だ。ネット通販とリアル書店で紙の本を買っている人は調査期間の9ヶ月で月平均約7900円を本に使っている。リアル書店だけを使う人の客単価は3000円程度(中略)
リアル書店、ネット通販、電子書籍というhontoのカバーする3つを利用している客の購買単価は、約1万300円と更に高くなるのだ。
・ウィリアム・モリス(中略)モリスが晩年にロンドン西郊に設立した印刷所ケルムスコット・プレスで作られた『チョーサー著作集』は「世界でもっとも美しい書物」と讃えられる。
※参考:明星大学図書館のウェブサイトでウィリアム・モリスの『チョーサー著作集』の一部中身を画像で見る
・人工知能に小説を書かせて文学賞に応募するような試みは既に始まっている。(中略)応用は文化のあらゆる領域で利くはずだ。
●書籍『なぜアマゾンは1円で本が売れるのか~ネット時代のメディア戦争』より
武田 徹 (著)
出版社: 新潮社 (2017年1月初版)
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