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山田 壮夫 氏 書籍『コンセプトのつくり方~たとえば商品開発にも役立つ電通の発想法』(朝日新聞出版 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『コンセプトのつくり方~たとえば商品開発にも役立つ電通の発想法』(山田 壮夫 著、朝日新聞出版 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・いま世界中のシェフが注目している「尾崎牛」をご存知ですか? ニューヨークの三ツ星レストランではステーキひと皿に一〇〇〇ドル(!)の値が付き、フランスの名立たる料理人が指名する和牛ブランドです。(中略)

高級な和牛といえば、まず思い浮かぶのはスペシャルな神戸牛・松坂牛クラス。その次に近江牛、米沢牛があって、だんだんと手の届きやすい銘柄に続いていくというランキングが一般的です。このように和牛は「特別な産地ブランド」で売るのが当たり前でした。(中略)

尾崎牛を育てている尾崎宗春さん(中略)個人名を冠した「特別な生産者のブランド」をつくったのです。

尾崎さんによればその理由はシンプルでした。

「同じ地域で肥育された牛でも、エサや水、育て方によって味が変わってきます。それを一括りにしてブランドにするのは無理があるんです。尾崎牛はわたし独自のやり方で育てていますから、他とはまったく違う。しかも一定した品質をお客様に届けられます。これこそが本来のブランドでしょ? ワハハハ。」


・そもそも「正解」とは「いまの常識」に従っているだけのこと。いまの常識で一番トクするのは業界のトップなのに、二位の企業も一〇位も一〇〇位もトップと同じ「正しい」戦いをしていたら、いつまでたっても大きな成果など上がるはずがありません。


・「玉子にうっとり」というコンセプトです。多くのスイーツに玉子は使われますが、ほとんど脇役扱いです。しかしこのコンセプトでは玉子こそ主役。「濃厚な玉子感」を武器にして、思わずうっとり、誘惑に溺れてしまいそうな具体策を照らし出すサーチライトです。


・いくつか大切なポイントを確認しておきましょう。最初に押さえたいのは「ビジョンなくして、コンセプトはできない」という点です。


・尾崎牛と同じく和牛界の「常識」を打ち破った北里八雲牛ですが、そもそもビジョンが違うので(どちらが正しいかどうかではなく)自ずと別のサーチライトになった、というわけです。


・「和牛の常識」にチャレンジしています。(中略)これは「どこで育ったのか?」という競争ではなく「どうやって育ったのか?」という競争を仕掛けようという取り組みです。(中略)

和牛ブランドの競争から抜け出す方法はひとつではありませんし、絶対的な正解なんて存在しません。このようにビジョンによってコンセプトや具体策は大きく左右されます。

・「インド鮪同好会」でした。無理に宣伝するのではなく、あくまで好きな人が好きな人とよろこびを共有するサークルとしてやっていこうということです。


・ビジョンとは経営者の強い意志そのものだ。要はその経営者に強い意志はあるのか、その強い意志とは何を実現するためのものなのかを真っ先に確認するのだ。


●書籍『コンセプトのつくり方~たとえば商品開発にも役立つ電通の発想法』より
山田 壮夫 (やまだ そお) (著)
出版社: 朝日新聞出版 (2016年3月初版)
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